2026年4月15日 (水)

2026年 春アニメ注目作品

■お気に入り作品(暫定)
「自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。」

■新作ピックアップ
「とんがり帽子のアトリエ」
「マリッジトキシン」
「霧尾ファンクラブ」
「レプリカだって、恋をする。」

■続編ピックアップ
「Dr.STONE SCIENCE FUTURE」4期 分割3クール第3クール
「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う 3rd season」3期
「転生したらスライムだった件」4期 分割2クール前半
「Re:ゼロから始める異世界生活 4th Season」4期 分割2クール前半

■前期からの継続作品
「勇者のクズ」2クール後半
「元祖!バンドリちゃん」全4クールの第3クール

□話題の新作
「あかね噺」
「黄泉のツガイ」

◇その他備考
・今期は火曜が8本、木曜が9本と、平日に割り振られた本数が異様に多いシーズンとなっている。
・当初2025年秋の放送予定だった3つの作品が今期放送開始。「異世界マンチキン」はいまだ続報なし。
(ちなみに3つの内訳は「とんがり帽子のアトリエ」「姫騎士は蛮族の嫁」「こめかみっ!ガールズ」)
・今期は和泉風花の出演作品が多い印象。鈴代紗弓もあいかわらず。


世の混乱を枕に書くのももう何度目か?という感じですが、各地でふつふつとやっているため経済が落ち着かず
テレビをつければ暗い話を明るい調子で、まるで不安を煽るかのように繰り返す日々が続いております。
せめて娯楽ぐらいは、娯楽と名のついたものくらいは話も明るくあってほしいと願うばかり。
そんな思いもあって、アニメを選ぶにしてもやはり明るいものを、気持ちが軽くなるものを選んでしまいます。

いまの自分には不快さを我慢するだけの、不快さを娯楽として楽しめるだけの心の余裕がありません。
なのでそういう作品はほかの方に任せ、自分は明るく元気になれるような作品を推し出していくことにしました。

…などと書くと、特定の作品を指摘しているかのように感じられるかもしれませんが、作品側の問題というより
一視聴者である自分の精神状態からくる個人的な都合ですので、あしからずと一応言っておきます。
それにしたってヘンなアニメがそろってるシーズンではありますが。


今期はなんか、実験的な作品を取り揃えたミニシアターみたいな一角がありますよね。
既存のアニメ表現に囚われない芸術性ある画面の作品や、いわゆるサブカル寄りな大衆ウケは難しそうな作品が
片手の指では足りないくらい集中しており、評価する側もためされてる感じがします。
おもしろいかどうかはさておき、目線を変えたことをやろうとするのは悪くないのではないかと。

あと、20年ぐらい前にドラマ化されて話題になった作品を、いまになってアニメ化する流れができつつあったり。
新しい世代による再評価、あるいは新たな価値観の創出への期待。既存のIPを温めることの堅実さ。
ただ、これにはあるころから言われるようになった『原作枯渇の時代』も少なからず影響しているのでは。

以前なら着目されなかったであろう原作に白羽の矢が立つ。一方で、過去の人気作をふたたび引っ張り出す。
アニメ化され、広く配信されることによって、より多くの人に評価してもらえるようになる。
そこには「いままで存在を知らなかったけどすごく好きなタイプの作品だ」という幸福な出会いもあるはずで。
逆に「どうしてもこれをアニメ化しなきゃダメだったの?」と疑問が浮かぶような出会いもあるでしょう。

何万部売れてるとかどんな賞を獲ったとか、そういう評価ってホントにアテにならないな…とつくづく思います。
何がウケるかホントにわからない時代。だからこその実験的、いろいろやってみる時代が訪れているのかも?


さて…今期とりあえず一本挙げるとすれば「とんがり帽子のアトリエ」ですね。まず突出した出来なので。

放送が遅れただけのことはある。この画面を作り上げるのには当然時間がかかるだろうと納得のできる作品。
画面だけでなく、話の組み立てや段取りも時間をかけて丁寧にやってくれている印象があります。
昨今の原作付きアニメはとかく詰め込みがちで、一度の視聴で理解できないくらい駆け足な作品も多いのですが
本作にはそういうせかせかした印象がなく、むしろ「このペースで大丈夫なの?」と不安になるほど。

「自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。」とにかくかわいくて好きなのですが、ペースは対照的にかなり早め。
いまのところ一話あたり2年の早さで進んでますからね…本当に描きたいところはもっと先にあるのか。

「黄泉のツガイ」は「鋼の錬金術師」でおなじみの荒川弘原作。ボンズフィルムとのタッグで堅実さを感じます。


ヘンなアニメ(?)のなかからは「クジマ歌えば家ほろろ」を個人的には推しておきます。
なんか、本質的にはマジメなのにマジメになりすぎないようシュールさでコーティングしてるみたいな印象が。
さじ加減がうまいというか、そういうバランスの取り方って大事だなと最近思うようになりました。

自分が言いたいことをなんでもそのまま詰め込むと、説教くさくてつまらない話になってしまう気がして。
一歩引いて見たとき、それが娯楽としておもしろいか?、お金や時間を払ってでも見たいものにできているか?
読者や視聴者の立場になって客観的に考える必要があるのではないかと。
本当に伝えたいメッセージは深読みしてようやく見えてくるぐらいがちょうどいい、と自戒を込めて書きます。



四半世紀前の某・アニメの話題になると、かならずと言っていいほど当時流れていたCMが話題になるのですが
本放送がWOWOW独占で、リアルタイムで見ることができた人がそう多くないはずの作品なんです。
なのになぜCMがやたらネタにされるのか。最近、ある書き込みを見てようやく理解できた気がしました。

ようするにオタクとしての格付けの話だったんですよ。リアルタイムで見てた人たちのほうが"上"みたいな。
後追いでソフトや配信で見た人たちが絶対に埋められない体験。そこに劣等感を覚える人もいるみたいで。
だから、当時のCMをネタにすることで"上"のオタクとして振る舞う。
そういう心理があることを知って納得したと同時に、なんの意味があるのか?とも思いました。

だって、ぶっちゃけどうでもいいことじゃないですか。アニメ本編とはまったく関係ないCMの話題なんて。
それで個人的に満足できるとしても、ファンのコミュニティには少しの足しにもなっていないし。
CMばかりネタにして肝心の本編の話題が出ないのでは本末転倒だし。力を注ぐべきところが間違っています。

好きな作品の好きだと思った部分を、ファンとしての格など意識せず好きなように話してもらいたい。
劣等感を抱く理由がない。仮に優劣をつけるなら、好きなことを一心不乱に語ってるヤツが一番"上"ですよ。

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2026年3月31日 (火)

2026年 冬アニメ 完走した感想

■高評価作品
「違国日記」
「ダーウィン事変」

"好"評価作品
「魔王の娘は優しすぎる!!」
「正反対な君と僕」
「お気楽領主の楽しい領地防衛 〜生産系魔術で名もなき村を最強の城塞都市に〜」
「29歳独身中堅冒険者の日常」
「ヘルモード 〜やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する〜」

■高評価継続作品
「グノーシア」2クール後半
「MFゴースト 3rd Season」
「SI-VIS:The Sound of Heroes」2クール後半

□高評価話題作
新作からは該当しそうな作品が見つからず
全体の話題性でいえば「呪術廻戦」3期と「葬送のフリーレン」2期が群を抜いていた

■3月中に放送終了しなかった作品
「元祖!バンドリちゃん」全4クール(残り2クール)
「勇者のクズ」2クール
「人外教室の人間嫌い教師」最終回のみ持ち越し
「炎炎ノ消防隊 参ノ章」3期後半 最終回のみ持ち越し

◇その他備考
・「新世紀エヴァンゲリオン」の新シリーズ制作が発表される。ガンダムシリーズのような循環が始まったか。
・放送延期になっていた「千歳くんはラムネ瓶のなか」11~13話を3月31日に一挙放送。


今期はなんだかあっという間に過ぎて、アニメを見ていた印象がいつもより薄かったのですが、それもそのはず。
待望のゲームが発売されてそっちに集中してて、アニメはわりと話半分に見ていたところがありましたからね。
だから、いつもよりそんなに書きたいと思うことがありません。今回こそは文章少なめにいけるか…?


今期の個人的なスタンスとしては、「違国日記」「ダーウィン事変」さえ見てりゃいいだろう!という感じで
この2作品をひたすら考えながら、メモのあいだにぎっしり私見をまとめながら追っていました。
楽しいと言えるタイプの内容ではありませんが、考えながら見ることが楽しいアニメでしたね。
特に「違国日記」は、登場人物たちの言動や心情に対する推察や共感、言葉選びのおもしろさが突出していて。
こういう視聴体験ができるテレビアニメって5年に一本、10年に一本とかのレベルかもしれません。

槙生をはじめ、主要な登場人物たちの奇妙なほどの解像度の高さ。槙生は作家という職業の説得力もあり。
客観的には理不尽と思えるようなことの巧みな言語化。人物の多面性。現代の若者が抱く悩み、生き方。
それらを決して重すぎることなく、そういうことがあるのが当たり前なんだと言わんばかりの自然さで描く。
大きな川のなかで中州のように独特の静けさと乾燥した空気を漂わせている作品でした。

とにかく見てほしい。人生の折に見返すことで、そのときほしいものが得られる作品ではないかと思うほど。
でも、話題作にはなってほしくないかな。そういう熱量とはちょっと違う棚に置かれるべき一冊。


対して「ダーウィン事変」は海外ドラマのようなサスペンスであり、衝撃的な展開の連続で緊張感を維持しつつ
どちらが正しいでもない信条のぶつかり合いを描いて、その是非を考えてもらう側面も持ち合わせている。
なんというか…正しい意味で、オトナな時間に見るオトナのためのアニメといいますか。

一口にアニメといってもターゲット層はさまざまで、今期はそのへんがハッキリしていたのかもしれません。
さすがにティーン向けのアニメをティーンと同じように楽しめる年齢ではないもんなぁ…(笑)


世代による感覚のズレといえば最近思ったのが、ラブコメにおける交際開始までのスピード感
平成初期からラノベ全盛期にかけてのラブコメって、いかに交際という事実にたどり着かないようのらりくらり
かわしていくか?
みたいな、変なテクニックが競われていたじゃないですか。
ようするに、交際=ゴールという捉え方をされていた。それが最近では交際=スタートに変わっている感じで。

交際してからのほうが物語のうえで重要になっているのは、おそらく恋愛観が変化しているからではないかと。
それが令和のスタンダードなんだと言われると多少のカルチャーショックを受けますがね…。

今期だと「正反対な君と僕」「うるわしの宵の月」あたりがまさにそんな内容で。
日5という放送枠の一等地にこのふたつの作品がならぶのって、編成上なかなか革命的なことだったのでは。
自分はターゲット層から確実にズレていると思いますが、それでも今期の日5は楽しく見れました。


令和のスタンダードはハッピーエンドかもしれない、という見方が自分以外のところでも起きている様子。

それもただのハッピーエンドではなく、バッドエンドを認めない力が働いてハッピーエンドを目指すみたいな。
先にバッドエンドを提示しておくことでハッピーエンドに到達したときのエモさが2倍にも3倍にもなる。
最悪からスタートする異世界転生もののブームの次に来た、定着したスタンダードという見方もできるかも。

そのためには原作どおりじゃなくてもいいというか、あえて改変することで幸せになれるパターンもあるようで
良い意味での裏切りを提供していく作品が今後ひょっとしたら増えていくかもしれません。



以下短評。


・「カヤちゃんはコワくない」
この時間帯にこんな凄惨な描写をお出しして大丈夫なの?と思えるほど、終盤は特に怖かった。
ある意味では「呪術廻戦」以上に呪術バトルしてたと思う。しかし、ただ怖いだけで終わらないのが本作の魅力。
根底には子を思う母の心があって、霊能力をもたないチエ先生が奮闘する姿は涙を誘うことすらあった。
いわゆるティーン向けのちょっと怖いホラー程度にナメてかかるともったいない。今期の傑作の一本。


・「アルネの事件簿」
1クールでのまとめ方が非常にキレイだった。作画も良く、それぞれ登場人物たちも魅力的に描けていたと思う。
単に推理ものとして捉えるとツッコみどころがないわけでもないが、求めるものがちょっと違うというか。
アルネをはじめ、人知を超えた力をもつ者が普通に暮らしている世界の話という前提で楽しむべし。


・「SI-VIS:The Sound of Heroes」
2クール見続けてきて本当によかった。一貫性のあるストーリーで、きちんと見ていれば得るものがある作品。
放送枠の都合で不遇な印象はあったが、新しい世代に向けて良いものを作ろうという意志が感じられた。
昨今、思い出が失われることの悲しさを描く作品が多いなかで、最後にきちんと取り戻すところまで描いており
時代のスタンダードに則りつつ次のステップへ、ハッピーエンドにもっていったことへの好感度が大きい。
楽曲も含めてもっと成功してほしいという個人的な期待はある。いまからでもいいからみんな見てくれ。


・「エリスの聖杯」
そもそも原作がテレビアニメという媒体に向いていなかったのだろうと思う。そう考えれば健闘したほうでは。
アニメ化に向けて整理したのだろうが、それでもなお情報量が多く、一度の視聴で処理しきれる内容ではない。
その場面で必要のない人名や地名、設定が盛り込まれるせいで視聴者の困惑はさらに増していく。
で、ひたすら困惑させただけでそれらの情報がおもしろさに寄与しないのが致命的だった。
週に一度テレビで見る作品はもっとシンプルかつ、メモを取らなくても理解できるのがやはり理想的である。
(余談だが本作をきちんと理解して視聴するために、1クールで16,000文字のメモを取った)


・「魔都精兵のスレイブ2」
制作スタジオが1期から変更になり、どうなることかと不安だったが杞憂に終わった。魅力はしっかりと維持。
本作に求められているものが1クール通じて高水準で描かれていたので(?)むしろ1期より満足度は高いかも。


・「時光代理人 -LINK CLICK- 英都篇」
期待が大きすぎたというのはある。今期放送された全8話では、言い方は悪いが何も始まっていないに等しい。
見たものからアレコレと推測することはできるが、残念ながらそれは楽しみの本道とは言えない。
現時点で総評を書くのも尚早なので、最後まで見てから判断したいと思う。現状の印象は蛇足な続編という感じ。


・「葬送のフリーレン」2期
本作の魅力はやはり、何もしていない時間にあると思う。旅先での何気ない時間にこそ魅力が詰まっている
戦闘シーンはたしかにダイナミックだし、各エピソードの最後に訪れる"収穫"も大事ではあるのだが。
旅の目的が果たされるよりも、なんでもない日常が延々と描かれることを個人的には望んでしまう。

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2026年1月16日 (金)

2026年 冬アニメ注目作品

■お気に入り作品(暫定)
「違国日記」
「ダーウィン事変」

■新作ピックアップ
「魔王の娘は優しすぎる!!」
「シャンピニオンの魔女」
「多聞くん今どっち!?」
「デッドアカウント」

■続編ピックアップ
「MFゴースト 3rd Season」
「呪術廻戦」3期
「葬送のフリーレン」2期

■前期からの継続作品
「SI-VIS:The Sound of Heroes」2クール後半
「グノーシア」2クール後半
「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」2クール後半
「元祖!バンドリちゃん」全4クールの第2クール
「龍族Ⅱ -The Mourner’s Eyes-」2クール後半
「破産富豪 The Richest Man in GAME」全16話
「青のミブロ 芹沢暗殺編」2期(#3~)

□話題の新作
「鎧真伝サムライトルーパー」
「Fate/strange Fake」

◇その他備考
・年末年始に声優の結婚あるいは離婚、事務所移籍のニュースが多数。節目ということか。
・フジテレビが火曜日に新アニメ枠『火アニバル』を新設。担当者の正気を疑いたくなるネーミングである。
 第1弾は月虹制作の「真夜中ハートチューン」で、月虹の他の作品と放送枠がかぶってしまっている。
・TOKYO MX以外の関東U局で「ばっどがーる」の放送がはじまり、これで関東では3期連続の放送となった。


早いもので2026年。時の流れの感じ方はトイレットペーパーのように年々みじかくなるとはよく言ったもので。
アニメが終わったら新しいアニメがはじまる。そのサイクルに飲み込まれ、目まぐるしく生き続けています。
ただ、今期はさすがにちょっと疲れを感じましたね…見疲れとでもいいますか。拘束時間の長さに。
まさか年が変わってすぐに2時間半もアニメを見させられるとは(笑)まあ、おもしろかったからよいのですが。

今期、初回1時間の作品がなんと5本。視聴時間的には倍の本数あるのと同じですからね。
その作品しか見ないファンにとっては豪華に感じられる長さなのかもしれませんが、自分にとっては負担の増加。
それに「話の区切りのせいでどうしても1時間必要」という事情を理解できる作品ばかりではありません。


初回1時間に理由を感じられた新作は「シャンピニオンの魔女」「死亡遊戯で飯を食う。」の2作品。

「シャンピニオンの魔女」はどこか童話のようであり寓話でもありそうなファンタジー。
見た目はかわいらしいけど設定の重さがひしひしと伝わってくる、けれどコメディ要素もあり見やすい雰囲気。
安定の白泉社原作って感じがしますね。白泉社に絶対の信頼を置いてるわけではないのですが。

「死亡遊戯で飯を食う。」はいろんな意味で、事前に想像していたのと違った作品でした。
こういうタイプの作品が好きな人は絶対いる。絶対いると思いつつも自分はそこに含まれていないことを自覚。
激しいアクションを伴わない心理戦によるデスゲームとでもいいますか。決して楽しい内容ではないわけでして。
防腐処理と呼ばれるゴア表現の緩和も含め、人形たちが生き残りを賭けて戦っているかのような印象があります。

この2本を見るなら、「魔王の娘」「多聞くん」も併せて見るとちょうどよいのではないかと。
すさんだ心をイイ感じに暖めてくれる。バランスのよい摂取を心掛けるのであればオススメの2作品です。


「違国日記」「ダーウィン事変」は自信をもっておもしろいと言える、考えながら見る楽しみのある新作です。

「違国日記」の切り口は個人的に共感できる部分がすごく多くて。思っていたことを言葉にしてくれる感じ。
オトナでも傷付くし、逆に『一般的には悲しむのが普通のこと』に悲しまず、押し付けに腹立たしく思ったり。
ありがちなことの外側にいる、違う国に住んでいる人たちの物語。だけどそこに共感できてしまう。
この気持ちを独特の空白を残しつつ言葉にしてくれる。主人公の小説家という設定にも合理性を感じられます。

「ダーウィン事変」は人間とチンパンジーのあいだに生まれた『ヒューマンジー』と呼ばれる異質な存在を通し
彼に対する差別や崇拝、彼が抱いた人間社会や価値観への率直な疑問を哲学的に描いています。
結局のところ人間は曖昧ななかで生きていて、答えはひとつになりえないのだと思いますが。

オトナ向けのアニメって言っちゃうとアレなんですけど、深夜に落ち着いて楽しむアニメって感じがしますね。


ここに「デッドアカウント」をならべて挙げるのはおかしな感じがするかもしれません。
少年マンガとしてのスタンダードさがむしろ良いというか。「こういうのがひとつあるといいよね」と好意的に
見ることができて、その直感的な評価をここでも紹介しておきたいなと思って挙げることにしました。
原作がマガジン系列だからかもしれませんが、他誌の人気作品にどことなく似てる感じはまあ…あるかな?


今期話題になっている作品はどう見ても「サムライトルーパー」です。意外や意外。
自分は世代ではあるのですが旧いほうは通過していなくて、なので共通点とかはまったくわからず見ていますが
一見して普通ではないアニメだとわかる(笑)ヤバい感性で作られてるアニメなのが伝わってきます。

それにしても今期は「サムライトルーパー」に「ハイスクール!奇面組」、地上波初放送の「悪魔くん」。
80年代にタイムスリップしたみたいなタイトルがならんでいますが…どうしたものやら。

以前なら「ゴールデンカムイ」や「推しの子」も話題作として挙げられたと思うのですが、盛り上がりがだいぶ
落ち着いたといいますか、ピークを過ぎてしばらく経ち、アニメファンの注目は他に移っているのが実状かと。
そういう意味では「呪術廻戦」の注目度ってまだまだすごいなって。
ふだんアニメの話をしない人でも放送がはじまると話題になる。話題作の選考基準はそこにあります。



今期はどうしてもやりたいゲームがあって、ゲームに時間を割きたいので本数はぐっと減らすつもりでいます。
そのゲームのためにPS5本体を買ったぐらいですから、これはもう仕方のないことだと思ってください。
怖いのは、それだけ期待しているのに期待ハズレだった場合ですよね…大丈夫かな。信じてるぞ?

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2025年12月31日 (水)

2025年 秋アニメ 完走した感想

■高評価作品
「デブとラブと過ちと!」
「暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが」
「SANDA」

"好"評価作品
「機械じかけのマリー」
「矢野くんの普通の日々」
「太陽よりも眩しい星」

□もし追加で挙げるならば
「味方が弱すぎて補助魔法に徹していた宮廷魔法師、追放されて最強を目指す」
「無職の英雄 〜別にスキルなんか要らなかったんだが〜」
「Let’s Play クエストだらけのマイライフ」
「アルマちゃんは家族になりたい」

■高評価継続作品
「僕のヒーローアカデミア」8期、堂々の完結
「ウマ娘 シンデレラグレイ」分割2クール後半
「SPY×FAMILY」3期

□高評価話題作
「忍者と極道」

■12月中に放送終了しなかった作品
「破産富豪 The Richest Man in GAME」全16話の予定
「SI-VIS:The Sound of Heroes」2クール
「龍族Ⅱ -The Mourner’s Eyes-」2クール
「グノーシア」2クール
「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」2クール
「元祖!バンドリちゃん」4クール!
「千歳くんはラムネ瓶のなか」制作上の都合で3週間の放送休止があったため、11話以降が来春に延期

◇その他備考
・「ヒロアカ」8期早期終了にともない、「青のミブロ」2期が前倒しで放送開始。
・クリスマスに放送された「アンデッドアンラック」Winter編1時間スペシャルにおいて2期制作発表。
・「わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)」、年始から2時間半の放送。


アニメを見続けること、感想を書き続けることもひとつの継続であり、それなりに努力の要ることなのだなぁと
今期は特に感じましたね…といっても、個人のPCが壊れた自作した程度の話なのですが。
この記事を書いている現在も新PCが完全に安定したとは言えなくて、まだ不安な日々は続いています。
まあ動いてるだけマシかもしれません。パーツ高騰のいま、壊れて動かなくなったらマジで地獄ですからね。

PCの不安定さもあって、今期は短評を書くだけの精神的余裕がありませんでした。短めにまとめます(長い)


今期は客観的には、話題作と呼べるような大きく目立った新作はなかったと言えるでしょう。
それでも日常的にアニメを摂取している人たちの需要をきちんと満たせる佳作はそろっていた印象があります。

続きが気になる、次を見たいと思わせる牽引力を備えていたのは、なんといっても「デブとラブと過ちと!」
残念ながらサスペンスの部分は1クールのうちに解決しなかったのですが、それはひとつの要素に過ぎず。
本作が伝えようとするメッセージ、得られるポジティブな力は他の作品にはないものでした。
気持ちがひどく落ち込んでいて、「元気になりたい」「生きる活力がほしい」と思っている人にはオススメ。


「暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが」も、ストーリーの一部分が完結したに過ぎず
この先が気になる人も多いとは思うのですが、原作のストックが少なくてすぐには見れそうもないとか。
ある転生者が暗殺者として生きる決意をするまでの物語として、1クールでうまくまとまっていたと思います。

アニメって絵で魅せるメディアなんだなって、あらためて感じさせてくれるような作品でしたね。
画面がただのシーンではなく一枚絵としての凄みをもっている。若いアニメファンにはどう映ったのでしょうか。


「SANDA」は評価が難しい作品だなと、最終回を見終えた直後の印象はそんな感じでした。
決してハッピーエンドではないし。一度見てすべてを理解できるようには作られていないのかもしれません。
なぜサンタというキャラクターにしたのか。信じているうちは子供、信じなくなったら大人という線引きなのか。
憧れても手に入らないもの、実らない恋、それがサンタへの失望につながり、大人になっていくのか。
ほろ苦さを残して終わることが本作を正しく伝えるためのやり方だったのだろうと、自分は解釈しています。


"好"評価作品については今回ちょっと割愛して、追加で挙げた作品について少しずつ触れようと思います。

「補助魔法」思っていたよりもおもしろかった…なんて言ったら失礼かもしれませんが、正直に言えばそう。
追放ものであることはそれほど重要ではなく、最強を目指す部分で後半おもしろくなっていった感じ。
追うべきストーリーがちゃんとあって、戦闘の組み立てに合理性があって、きちんと"見れる"作品になっている
同スタジオの過去の作品とくらべて相対的によくできていると感じたのも評価のポイントでした。


序盤あまり感触がよくなかったという点では「Let’s Play クエストだらけのマイライフ」も同様。
オフラインの仕事の部分とオンラインのゲーム制作の部分、どっちもやろうとして散漫になっている印象があり
どうやってまとめていくのか?という疑問があったのですが、中盤以降この構成の意図が見えてきました。

ふたつの現代的な要素を通じて、登場人物たちのパーソナルな悩みの掘り下げをおこなっていく。
仕事上のパートナー、友人として信頼できる人、恋人になりうる相手って、一致するとは限らないんですよね。
人間関係をシンプルにするためにまとめてしまう作品が多いなか、本作はうまい切り口をしていたなと思います。
まあ…サムがかなり恵まれた立場にあることは無視できませんが。結末の描き方には満足。


「無職の英雄」はコメディであることを理解して見れば爽快で楽しい。特にリリアの功績が大きいですね。
よくある異世界ファンタジーの要素、ベタな展開を知っているからこそ楽しめるスピード解決のおもしろさとか
そういう意味ではある程度『異世界慣れ』した人向けの作品と言えるのかも。

「アルマちゃんは家族になりたい」については、かわいいから見なよ(笑)かわいいがちゃんとあるアニメ。
作品にマッチする主題歌に挟まれて、絵に馴染む声がついている。良い意味で『違和感のないアニメ』というか。


今期はその…どうしても『違和感を覚えてしまうアニメ』があったもので。なんなのこの主題歌?ってヤツ。

ひょっとすると周期的に"そういうもの"が集まる時期に来ているのかもしれません。
アニメの主題歌って自分が好きな音楽を作るのとは違う、読み取りや寄り添いが必要な仕事じゃないですか。
やはりアーティストとしての経歴が長く、主題歌を書いた経験が豊富な人はきっちり仕上げてきますよね。
今期で言えばスピッツや秦基博、それにポルノグラフィティ。いや…この人たちとくらべるのは酷か。


「忍者と極道」は、「アニメの出来よりも放送されている事実を楽しむべき」と某所で書いてしまったのですが
前言を撤回して、あえてアニメで見るべき、素晴らしい出来だったと評価し直したいと思います。
熱い物語、演出に音楽、キャラクターに命を吹き込む演技。可能な限り素晴らしい水準で作られている。
アニメ化されなければ本作に触れなかったと思うし、アニメを通じて本作が評価される理由を理解できましたし。
変なたとえになりますが…ジューシーでスパイシーな熱々のチキンみたいなアニメでした。

このような表現に到ったのは、筋トレ中に食べる鶏の胸肉みたいなパサパサした真逆の作品があったからですね。
どんなに激しい戦闘シーンでも、そこに物語がなければ見ていて感じるものはないのだなと、比較して実感。



最後に、2025年の新作のなかから10作品オススメするとしたら?というセレクションを紹介したいと思います。


「チ。-地球の運動について-」(1クール目が2024年冬だったので、去年も10作品に挙げてる)
「ハニーレモンソーダ」
「誰ソ彼ホテル」
「RINGING FATE」
「空色ユーティリティ」
「ある魔女が死ぬまで」
「TO BE HERO X」
「ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される」
「薫る花は凛と咲く」
「光が死んだ夏」
「デブとラブと過ちと!」
「暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが」

ダメだ…続編を除いたのに今年も12本ある。10本に絞れるほど見てる数が少なくないんですよ自分は。
誰もが選ぶであろう「チ。」と「薫る花は凛と咲く」を削ってようやく10本に収まるかな?というところ。
他にも入れたかった作品はいくつもありますね…たとえば「ばっどがーる」とか。
できれば「真・侍伝 YAIBA」も入れたかったのですが、原作の古さを理由に選外にするしかありませんでした。

そして、続編という括りでは下記の作品が挙がるかなぁと。どれも本当におもしろかったです。

「薬屋のひとりごと」2期 2クール後半
「黒執事 -緑の魔女編-」5期
「小市民シリーズ」分割2クール後半
「アークナイツ【焔燼曙明 RISE FROM EMBER】」3期
「Dr.STONE SCIENCE FUTURE」4期後半



ある海外の記事からの引用。日本独特のユーモアは欧米では理解しにくく、作品を翻訳する際に理解されやすい
欧米風のユーモアに差し替えるべきか?という議論が発端で、そこに寄せられた意見のひとつ。
(「欧米人が勝手に日本のアニメを見てる状態なので、合わないなら見なければいい」というのが大方の意見)

欧米のメディアは「観客を喜ばせるため」、日本のメディアは「作り手を喜ばせるため」作られているとか。

作り手が好きなように作った結果であり、それが運よく視聴者に共感されればよし…という考えが日本にはある
と見られており、なるほどと納得。だからときに内輪に傾いてしまうのだなと思ったわけです。


今期「終末ツーリング」を見ていて、作り手とそれに近い世代だけが楽しんでる印象があったんですよね。
ぶっちゃけオッサンくさい。ポストアポカリプスではない、高齢オタクの昔話とノスタルジーに満ちた作品。
視聴層が限りなく絞られてしまうのに、その"内輪感"が肯定されてしまうことへの違和感といいますか。
まあ…70本くらい放送されているなかに1~2本、特定の層に向けたアニメがあっても全然よいとは思いますが。

本当に批判すべきなのは、女児向けの顔をして大きなお友達の内輪に向いてる「プリオケ」かもしれません。
この年末に近付いて急に議論の的になっているとか。自分は1クール目から既に問題視していましたが…。

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2025年10月15日 (水)

2025年 秋アニメ注目作品

■お気に入り作品(暫定)
「機械じかけのマリー」
「元祖!バンドリちゃん」全52話の予定!

■新作ピックアップ
「デブとラブと過ちと!」
「SANDA」
「暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが」
「ある日、お姫様になってしまった件について」

■続編ピックアップ
「SPY×FAMILY」3期
「らんま1/2」分割2クール後半(#13~)
「ウマ娘 シンデレラグレイ」分割2クール後半(#14~)
「僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON」8期

■前期からの継続作品
「ふたりソロキャンプ」2クール後半
「渡くんの××が崩壊寸前」2クール後半
「ガチアクタ」2クール後半
「桃源暗鬼」2クール後半

□話題の新作
「グノーシア」
「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」
「忍者と極道」
「野原ひろし 昼メシの流儀」…?

◇その他備考
・史上最多と言われた前期とくらべてしまうせいで、今期は作品数が激減したかのような印象を覚えてしまうが
 放送延期になった6作品ぶんを考慮しても平均的な作品数と言えるだろう。
・LDH所属のアーティストが主題歌を担当するアニメがさらに増加傾向にある。そういう方針なのだろうか?


既にお伝えしていますが、今月初めにPCが突然故障、アニメの感想を書くにも少なからず影響がありました。

古いノートPCを整えて2日後くらいには文章を打てるようになったのですが、一度途切れてしまうと精神的には
諦めが湧いてくるというか。継続の義務感がなくなり気分が楽になったとも言えますが。
アニメとの付き合い方を変える良いきっかけになったのかなと、前向きに考えることにしています。

完全復旧まではもうしばらくかかりそうです…しかしWindows 10のサポート終了直前に11のほうが壊れるとは。
あまりにもなタイミングすぎて、この2週間くらい久し振りにメンタルが終わっていました。


さて…今期の特徴として挙げられるのは、再放送、海外作品、そしてロボっ娘が登場する作品の多さ
再放送はおそらく放送延期作品の穴埋めの意図もあるのでしょう。本放送からの周年記念の再放送などもあり。
海外原作・海外制作のアニメが増えたのは制作コストや目新しさなども影響しているのかもしれません。
特に水曜深夜に集中していて、日付が変わるとほぼ全部海外作品みたいな状態になっています。

ロボっ娘の集中は…なんなんでしょうね? ただの偶然だとは思うのですが。
ちなみに「機械じかけのマリー」はタイトルはそれっぽいですが、マリー自身はまったくの生身の人間です。


「機械じかけのマリー」はこの設定で白泉社のLaLa連載、花とゆめコミックス原作だというから驚き。
ジャンルでいえば一応ラブコメになるんですかね。公式サイトにそう書いてあるなら間違いないと思いますが。
個人的にこういうパワフルで強引なヤツが欲しい時期なんだと思います。明るくて元気なアニメが見たいですよ。

実写ドラマ版の印象が強い「デブとラブと過ちと!」も好感触でした。
本作はTOKYO MXが初めて制作幹事を務めるアニメだそうで、既に「ふたりソロキャンプ」も放送されてますし
今後も『実写ドラマを経てアニメ化される作品』が続くかもしれません。
「低体温男子になつかれました」なんかは来るんじゃないかな。次を予想するのもおもしろいかも。

「SANDA」は画面の目新しさもありますが、なによりセリフが強い。名言として語られそうなセリフが多め。
ときにテレビなどで語られる名作マンガやアニメって『名言の多さ』という共通点があると思うんですよね。
そういう観点で「SANDA」は初回から良いセリフがどんどん出てくる、文芸的魅力がある作品です。


今期もっとも注目すべき作品は「暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが」でしょう。
いわゆる『なろう』系原作の異世界転生モノというだけだったら、特に食指が伸びるものではなかったのですが
アニメーション制作があのサンライズで、監督が羽原信義と言われたら話は別。
80年代からアニメ業界を牽引してきたいわばレジェンド級の人物が制作指揮を執るファンタジーアニメですよ?

はじまった途端に画面の異質さに惹かれました。"あの時代"の再現もさることながら、画面の恐ろしい精細さ。
ここぞというカットの止め絵の美しさ、きょうび見かけない独特な影の塗り。そこに現代的な背景美術。
同じ時代のアニメを浴びてきた人には一度見てほしい、ちょっとおかしなことが起きてる作品なんです。


「ある日、お姫様になってしまった件について」は韓国の小説が原作。コミカライズを経て中国でアニメ化され
それをKADOKAWAが日本に持ち込んだ…という、ちょっと複雑な経緯でやってきた海外作品。
あらためて中国制作のアニメってレベルが高くなってきたなと感じる、個人的に注目している一本です。
無口な父の思いがちょっとずつ見えてくる、見ているうちに続きが気になってしまう、そんなストーリー。

余談ですが中国のアニメは日本のテレビアニメと放送フォーマットが若干異なり、本作も一話あたりが若干短く
放送枠自体は30分あるのに6分ほど余して終わってしまいます。尺の使い方の感覚も微妙に違うかも?


先述のとおり、メンタルが終わっている時期に見始めたのでチョイスにも少なからず影響はあると思います。
とはいえ、今期は精神的に負担がかかるような重たい内容のアニメはなさそうですね。
暴力は多めですが(笑)スカッとする作品、穏やかで和む作品、コメディ寄りの作品が集まっている気がします。

いまはとにかく癒やしと安心がほしい…「SPY×FAMILY」見てボロ泣きするような状況を早く脱したいです。

「SPY×FAMILY」といえば、劇場版「CODE: White」が地上波初放送となり、自分も小分けにしつつ見ました。
国民的人気を獲得している作品なのに初見の人にも人間関係がわかるよう、丁寧に作られていたのが好感。
アクションシーンは激しく、うんこで子供のハートをつかみ(笑)ちゃんとロマンスもやってくれる。
いい映画だったなぁと。あらためて「SPY×FAMILY」好きだなぁと思わせてくれる内容でした。



大河ドラマ「べらぼう」の29話で、蔦重の妻・ていが黄表紙の草案を読み「どこがおもしろいのかわからない」
と批評したエピソードを、突然ではありますが引用して話題にしたいと思います。


田舎から出てきた主人公が都会でだまされコケにされる草案。同じような境遇の者たちであふれるこの時代では
読んでも共感のほうが強くなってしまい、不憫で笑えない。「そういう視点もある」という指摘でした。
コメディのつもりで書いたものでも、見る人が見れば、見る時代によっては笑い話にならないということ。
これって現代の小説やマンガ、それをもとにしたアニメについても言える話だと思うんですよね。

不憫な主人公を『実在しない奇妙な存在』として、笑いを取れる存在として描いているつもりなら、その作者は
実在する不憫な人たちへの配慮が欠けているか、時代が見えていないのではないか。


じつを言えばこれ、「べらぼう」以前から感じていたことで。話題にするにはいい時期が来たなと感じまして。

創作ではしばしば『共感できる主人公』がよしとされますが、大変な間違いかもしれないと思ったわけです。
たとえば、ブラック企業ですり減らされてトラックに轢かれる主人公。全然おもしろくない。
それなら諸葛孔明が現代に転生してパリピになる(笑)くらい荒唐無稽なほうが絶対おもしろいし笑えるはず。
奇異で共感しようがない。共感の余地を与えない。そういう舵取りもヒットには大事かもしれません。

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2025年9月30日 (火)

2025年 夏アニメ 完走した感想

■高評価作品
「ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される」
「薫る花は凛と咲く」
「光が死んだ夏」

"好"評価作品
「雨と君と」
「フードコートで、また明日。」全6話
「ばっどがーる」

■高評価継続作品
「真・侍伝 YAIBA」2クール後半
「アークナイツ【焔燼曙明 RISE FROM EMBER】」3期
「Dr.STONE SCIENCE FUTURE」4期後半
「TO BE HERO X」2クール後半

□高評価話題作
「瑠璃の宝石」
「Turkey!」

■9月中に放送終了しなかった作品
「サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと」最終回のみ10月に持ち越し
「ウィッチウォッチ」2クール後半(#14~25)世界バレー中継の影響で最終回のみ10月に持ち越し
「渡くんの××が崩壊寸前」2クール
「ガチアクタ」2クール
「ふたりソロキャンプ」2クール
「週刊ラノベアニメ」全20話とのこと、放送できなかった残りの8話はYouTubeで配信予定

◇その他備考
・今期は途中で総集編や再放送を挿む作品がいくつか見られた。確認できただけで5作品?
 「水属性の魔法使い」が6週目にまったく関係のない映画「不思議の国でアリスと」の公開直前特番を放送。
 ほかに放送できる枠がなかったとは思えないので、おそらく製作上の都合に合わせたのだろう。
・秋に放送予定だった以下の6作品がいずれも品質向上のため放送延期を発表。
 「異世界マンチキン」「対ありでした。」「とんがり帽子のアトリエ」
 「姫騎士は蛮族の嫁」「こめかみっ!ガールズ」「勇者刑に処す」
・KAI-YOU掲載のレポート記事、アニメの『ノイズ』『加害性』に端を発するネット上の議論沸騰(後述)


今期の最終結果は自分の精神状態、いま求めているものが如実に表れている感じがしますね。
心の平穏とハッピーエンドを求めている。せめてフィクションの世界ぐらいでは穏やかであってほしいという。
その傾向からはずれているのは「光が死んだ夏」くらいでしょうか。

「光が死んだ夏」は表面上は間違いなくホラーなんですけど、さまざまな顔をもつ複雑な作品です。
1クール終盤で出てきたのは居場所について。生まれ落ちた場所に自分の居場所があるとは限らない無情さ。
自分がいるせいで周囲に不幸をもたらすとしたら、居場所だと思えるからこそ守るために離れなければならない。
それが見ていてとても悲しくて、これをただホラーに分類してしまうのはもったいないとも思いました。
序盤で感じたほどもうBLさはない…とも言い切れないか。でも気にするほどではないんじゃないかな?


「ずたぼろ令嬢」は1クールで完結に加えてエピローグまでしっかり描いている、完成度の高い特筆すべき一本
いわゆるシンデレラストーリーではあるんですけど、それだけで終わらない興味をもたせる部分もあり。
難しい話題のあいだをわちゃわちゃしたコメディでつないだりと、緩急をつけて描かれていたのもよかったです。

見終えてちょっと気になったのはマリーの両親がどのようにして出会い、結婚したか。
本作では悪役の立場にあるふたりなので、1クールでそこまで掘り下げない判断をしたのかもしれませんが。

あと…これは個人的な話、ハッピーエンドの作品を素直に喜んでいいのか?と、変な悩みが浮かんできたり。
創作の世界ぐらいは平和でいいではないか。でも、それはぬるま湯に浸かっているようなものでは?
幸せに終われた作品にみずから水を注すようなことを考えてしまう自分の頭がイヤだな…と、変な心理状態です。

「薫る花は凛と咲く」の結末を見終えたときも、似たようなことが頭に浮かんできていたんですよね。
凛太郎と薫子がうまく結ばれたとしても、千鳥と桔梗、二校の不仲は続くんだよなぁ…と思ってしまって。
本作はあくまでふたりの物語であって、友人たちを含めた6人の外側まで気にする必要はないのかもしれません。
これは薫子が美少女だから成立する話で、見ようによってはストーカー行為では?という話も無視します(笑)


備考欄で挙げた放送延期の話。これを聞いたとき、自分は「6本も減らせて助かる…」と思ってしまいました。
それだけ今期の本数過多が堪えていたのだろうと。見る数を意識的に減らしても減った感じがしませんでしたし。
アニメによる夏バテとでも言いましょうか。来期は『食欲の秋』とはいかなそうです。



以下短評。


・「雨と君と」
主人公が雨の日を好む理由。晴れた日には起きないであろう偶然をもたらすのが「雨と君と」なのかもしれない。
初回を見始めたときに感じた本作への好意が最後まで続く、付き合いやすいポエティックな作品だった。
ただ、視点が小説家である主人公の仕事に寄りすぎて、「君」という特異な存在のおもしろさには欠けていた。


・「ばっどがーる」
自分でも意外なほど、見ているうちにハマっていった作品。「フードコートで~」と近いポジションか。
カロリーが高いCloverWorksアワーのあとにやってくる安心感、清涼剤。絶妙な掛け合いを再現する声の演技
ジャンプすることも含め(笑)きらら原作アニメに求められるものが詰め込まれた正統なきららアニメだと思う。


・「真・侍伝 YAIBA」
これ地上波で無料で見ていいヤツなの?と、そのクオリティに毎週圧倒され続けた。さすがはWIT STUDIO。
原作も旧アニメも通過しなかった「真」新規の自分でも満足できる。魅力をじゅうぶんに感じられた。


・「Dr.STONE SCIENCE FUTURE」
長く続くシリーズだとどこかで中だるみしがちだが、本作はホントにずっとおもしろいからすごい
おもしろくない期間がない。本物の傑作だと思う。今期終盤は誇張抜きで泣きながら展開を見守っていた。


・「TO BE HERO X」
客観的に言えば全然終わっていない、2クールかけた壮大な過去編が終わっただけなのだが満足度はかなり高い。
時系列をきちんと把握していた視聴者だけがわかる構成のうまさ。それだけに付き合う難しさもあった。
ひとつハッキリ言えるのは、本作のストーリー構造でキャラクター商売を狙うのは難しいだろうということ。
それでも"「ONE PIECE」しか見ない人"で固まっていた放送枠の空気を入れ替えた意義はあったと思いたい。

これには反論もあるかと思うが、「ONE PIECE」もだいぶ視聴層の高齢化が進んでいたのでは。
日曜の朝はやはり子供たちのための時間なので、他局の作品と競争するにはもう弱くなっているのかもしれない。


・「Turkey!」
当初は異色の組み合わせがどうなるかと思っていたが、終わってみればなかなか巧みに練られた作品だった。
二投目があるボウリングと二言はない武士の世界の対比。もともとそのテーマがあって書き始めたのだろうか。
タイムスリップによる過去改変を途中までは否定していたが、既に改変されてしまっている事実に気付いてから
改変をかなり好意的に解釈するほうに傾いていくところに賛否両論が残るかもしれない。


・「まったく最近の探偵ときたら」
本作で描かれる35歳男性像はちょっと見積もりがおかしい。55歳ぐらいの設定だったら納得して見られるか。
作者のなかにある探偵のイメージやギャグの古さがにじみ出ているというか…まあ、それはさておき。
本作を通じて強く言えるのは平野綾の価値。まだまだ第一線でヒロインをやれる声優であることがわかった。
しかし、放送中に出演声優の離婚を2件も出すことになってしまうとは。代償が大きすぎた。


・「CITY THE ANIMATION」
おそらく多くの視聴者が、半数ほどのエピソードを「意味がわからない」といった表情で見続けていただろう。
本作がやろうとしていたのは古典的な『意味のないギャグ漫画の様式』への回帰だったのかもしれない。
時代に合わないギャグを、ウケを狙いにいき過ぎてる感じのギャグを、京アニのパワーで全力でやろうとする。
ある種の芸術運動、ギャグのルネサンスとでも言えばいいか。まつりとえりだけはガチ。


・「傷だらけ聖女より報復をこめて」
放送局が限定された、アニメというよりモーションコミックに近い作品。しかも半端なところで終わっている。
本作を見てひとつ収穫だなと思ったのが、画面が整然とした図形ではなく、筆致のわかる絵だったこと。
作者が引いた勢いある線がそのままに動いていて、ある意味では一般的なアニメより魅力的に感じられた。
推しむらくはやはりキリの悪さ。タイトルにある「報復」が描かれるところまでは見たかった


・「ハイガクラ」
2024年秋の作品だったが7話放送後に中断、今夏あらためて仕切り直しとなった。
初回放送時にわかりにくかった部分にモノローグや字幕を追加、電子番組表に毎回のあらすじやキャスト一覧を
きちんと掲載するなど配慮があり、総合的には今期の平均よりちょっと上に来るぐらいの内容だったのでは。
ただ、それにしても本作独特の設定や劇中における物事の価値は、初見の人にはわかりづらかったと思う。
それでも本作の「自分自身が何者で、何のために存在しているかを探る」というテーマは伝わってきた。


・「帝乃三姉妹は案外、チョロい。」
P.A.WORKS制作のサンデー原作ラブコメということで、非常にマジメで堅実な作りだったことは好感なのだが
マジメゆえにちょっと目立たないところがあるというか。長所が短所にもなりうる作品と言える。
近年ヒットしているラブコメにはどこか賛否両論ありそうな変なところがあり、それが個性にもなっているので
そういったライバルたちと競り合うには物足りなさを感じてしまう。でもマジメなのは悪いことじゃないっス。


・「うたごえはミルフィーユ」
文芸面では評価できる作品。しかし肝心の歌唱シーンに華がないことと、やれる回数が響いてしまったか。
たしかにアカペラ部の部員たちの会話は楽しいが抑揚には欠ける。題材がアカペラであるからこそできる何かを
本作を見ていて感じ取ることができなかった。アカペラというジャンルの評価にも影響しかねない部分だ。
個人的には3~4話の流れが本作の特筆すべき部分だったと思う。それとミルフィーユという言葉の解釈も。
本作は舞台劇として、歌唱まで含めて生で観客に見せるぐらいのほうが効果的だったかもしれない。


・「追放者食堂へようこそ!」
本作を見終えて、アニメの原作をイラストレーターで選ぶのはやめたほうがいいと、あらためて思った。
本当にどうしようもない原作でも人気のあるイラストレーターがつけば売れるし、アニメ化までいけてしまう。
いわゆる『なろう』原作に当たりハズレが大きい原因はそこにあるのではないか?と、考えるきっかけになった。
その部分に限って言えば、得るものがあった作品と言えるだろう。炒飯を見るたび思い出す教訓となった。



さて…炎上期を過ぎたので触れるのもいまさら感はあるのですが、KAI-YOUの記事への私見を述べておきます。

炎上の概要をざっと説明しておくと、アニメイベントに出演した吉田恵里香氏のトークショーのレポート記事で
見出しに『ノイズ』や『加害性』といった強めのワードが使われていたことが発端。
ここで言われる『ノイズ』の具体例は、吉田氏が脚本を担当した「ぼっち・ざ・ろっく!」のワンシーン。
わざと風邪を引こうとして水風呂にはいる際、全裸はいかがなものかと水着着用を進言したとのこと。
テンプレ化した不必要なサービスシーンをなくすことで、より広くリーチさせたいという意向の話だったはずが
アニメにおける性的搾取などの『加害性』にすり替えられてしまった…というようなお話。
(『加害性』というワードは吉田氏の発言にはなく、KAI-YOU側が編集の際に加えたもの)


吉田氏の言う建前の部分はわかるんですよ。これ、ゲームに置き換えるとわかりやすい話で。
Z指定になると広告掲出も販路の拡大も難しくなってしまう。確実に商業的成功を収めたいから表現を変える。
パブリッシャーがZ指定を避けたがる理由と同じなんですよね。そう言ってくれれば誤解は避けられたはず。

しかし視聴者のなかには「なぜ自宅の風呂場なのに水着?」と、別の意味で引っ掛かりを覚えた人もいて。
たしかに、わざと風邪を引く目的ならもっと自然な、別の方法に変えることも可能だったはずです。
ゲームにたとえるなら「ゴア表現を避けるために血液を緑色にしました」って言ってるようなもの。
いっそ流血表現自体をなくしてしまえばよかったのに、なぜ余計に引っ掛かる表現に差し替えてしまったのか。
性的描写にうるさい人の指摘を避けるつもりなら水着以外の表現があっただろうと個人的には思います。


制作段階であきらかにまずいと思ったものを避けるのは道理。ただ、配慮のしすぎもよくありません。
放送や配信の際、あるいは国境を越えるタイミングで適切なレーティングやゾーニングを受けるものですから。
少なくとも脚本家の一存で、他人の創作物でやるべきことではない。決定権をもっていないはずです。
それとも吉田氏は相当な意見力をもっているのでしょうか。"覇権"請負人みたいな?


本件の一番の問題は『ノイズ』云々ではなく、吉田氏のブランディングに作品を利用されていることなのでは。
商業的に成功した作品に後出しジャンケンで、あたかも個人の功績であるかのように付け加えて。
このトークショーもレポート記事も、吉田氏のブランディングのために用意されたと受け取ってしまいそうです。

個人的に、顔を出したがる制作者って信用できないんですよね。作品より自我を主張するタイプといいますか。

でも、結果として今回の炎上がネガティブなブランディングとなってしまったのは間違いないでしょうね。
今後吉田氏が携わる作品をバイアスなしで見るのはまず無理だと思います。本件を知ってる人に限った話ですが。


結局のところ、大衆はわかりやすい部分で評価するんですよ。かわいいかどうかとか、楽曲のキャッチーさとか。
書き手がどんなに高尚な理想を込めていたとしても、視聴者の9割は理解できないか、まず伝わりません。
ヒットした結果、グッズ展開で本編よりも過激な水着を着せられてるのは皮肉な話。
そもそも原作者本人がバニーガールの格好させてるくらいですからね…。

作品がもつ『加害性』の可能性の話をし出すと、たとえば「ずたぼろ令嬢」や「薫る花は凛と咲く」においても
女性は賢く、男性はそれに劣るものとして描写されていることに傷付く人がいてもおかしくないはずです。
異世界転生もので主人公以外の男性がバカな悪役を押し付けられる傾向も、本来なら指摘されるべき問題では?

まあ…99%の人は気付いても指摘まではしないですよ。無粋だから。作り話と理解して楽しんでいるから。

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2025年7月18日 (金)

2025年 夏アニメ注目作品

■お気に入り作品(暫定)
「雨と君と」
「ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される」

■新作ピックアップ
「サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと」
「光が死んだ夏」
「薫る花は凛と咲く」
「フードコートで、また明日。」
「ゲーセン少女と異文化交流」

■続編ピックアップ
「アークナイツ【焔燼曙明 RISE FROM EMBER】」3期(#17~)
「盾の勇者の成り上がり Season4」
「Dr.STONE SCIENCE FUTURE」4期 分割2クール後半(#13~)
「地縛少年花子くん2」分割2クール後半(#13~)

■前期からの継続作品
「鬼人幻燈抄」2クール後半
「宇宙人ムームー」2クール後半
「Summer Pockets」2クール後半
「ウィッチウォッチ」2クール後半
「真・侍伝 YAIBA」2クール?
「TO BE HERO X」2クール?

□話題の新作
「地獄先生ぬ〜べ〜」
「瑠璃の宝石」
「CITY THE ANIMATION」
「Turkey!」


◇その他備考
・今夏は史上最多と言われる70作品超が集結。理由のひとつとして考えられるのはショートアニメの増加。
 また、テレビ放送されないWeb限定アニメもあり。地上波の放送枠以上に作品数があると言える。
 地上波の放送枠かぶりが非常に多く、録画して見る派の人はトリプルチューナーでもないと厳しい。
・TikTokでバズることを意識したような"正面固定"のダンスを取り入れたオープニング映像が増えつつある。
・2024年秋に7話で放送を中断した「ハイガクラ」が1話から仕切り直し。テロップによる説明補強が図られる。
・今秋放送開始予定だった「勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録」がクオリティ向上のため来年冬に延期。
 これ以外にも電撃文庫周辺でいろいろと問題が起きているのが気になる、夏。


アニメを語る界隈でしばしば誤用される言葉として『ディストピア』『露悪的』があります。
『ディストピア』は退廃的な未来を表す『ポスト・アポカリプス』と混同されがち、という傾向があるのに対し
『露悪的』は単なる『悪趣味』との使い分けが難しい、明確な境界線を引きにくい言葉かもしれません。

悪質な部分や醜い部分を意図的にあらわにして、見た人たちに考えてもらう、批評を促すのがの本質だとすると
アニメファンたちから『露悪的』と言われる作品とは性質が異なるのでは?と思えてきます。


このようなことを書いた背景として、今期そういうタイプのWeb限定アニメがあることが挙げられます。
自分は『テレビアニメの人』という自負があるので、Webアニメは範囲外。"見なくていいことにできる"んです。
わかっていながらイヤな気持ちになりにいくなんてバカバカしいじゃないですか?
そこに『露悪的』な意図があったとしても、結果として不快な気持ちになるなら見たくはないですし。

問題はこの"地雷"を、知らずに踏みにいってしまう子供がいるかもしれない点ですね。配信サイト側の問題。
たとえばAmazonのprime videoだと、他の新作アニメとならんで普通にバナーが表示されていたりするわけで。
そういうところに無防備に、ゾーニングなしで置いといていいものなのか。ちょっと考えてしまいました。


まあ…それを言い出したら「鬼滅の刃」も「薬屋のひとりごと」も難しくなるかもしれませんが。

でも、本棚に何気なく置いてあるトラウマってのは昔からあるでしょうしね。原作そっくりのアンソロ本とか。
「世の中にはそういうものもあるんだ」と学んでいく過程も大事かな。自分の目で予測し、判断することが。


今期の作品だとほかに「光が死んだ夏」なんかも、かなり見る人を選ぶ作品だとは思います。
怖いのがニガテな人には強くはオススメしませんが、単にホラーと言い切れない独特の耽美さもある作品でして。
日本特有の湿度がもたらす怖さと生々しさ、淫靡な雰囲気を非常に高いレベルで映像化しています。
まさに夏にぴったりな作品。ただ、これ見てぐっすり眠れるって感じではないか…付け合わせがほしくなるかも。

「雨と君と」はそういう意味で対照的な作品かもしれません。終始ゆったりとした、チルをもたらすアニメ
まずオープニング映像が素晴らしいので冒頭だけでも見てほしい。グラフィックデザイン的な美しさがあります。
画面を注視してじっくり見るのではなく、少し離れた距離からぼーっと眺めるのに向いた作品。

アニメとの付き合い方も時代に合わせて変化していくんじゃないかな?と思わせる気配はほかの作品にもあり。
「フードコートで、また明日。」は近いところにあると思います。全6話と発表されているのが既に惜しい。


リストに挙げなかった作品では、「神椿市建設中。」が語ろうとしているテーマはちょっと気になっています。
どう見ても若い人向けの座組だし、作品全体の既視感は否めません。でも、なんか得られるところがありそうで。
欲望は前向きなものだけではない。2話で見え始めた断片が今後どう広がっていくかに注目しています。

あとは「ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット」かなぁ。お約束を笑えるだけの予備知識は必要かも?



"「物知りな批評家」より「ショボくとも作り手」であってほしい"という某・アーティストの発言が話題に。

これはつまるところ「僕は非難されると凹むので、非難する人がひとりでも減ってほしい」と、暗に訴えている
だけのことだと思うんですよね。素直にそう言ってくれたほうが共感できる人は多かったでしょう。

たしかに、悪意をもった人たちの非難にモチベーションを奪われているアーティストは少なくないと思います。
非難を批評と取り違えている人が多い。あるいは非難こそが批評と信じているか。
しかし、氏の発言は論理的な批評をおこなっている人まで敵に回しかねません。
表現者でありながらよくない表現をしてしまったというか。言論弾圧と受け取られかねない危ない発言だなぁと。


『純粋な消費者』であっても一アーティストの発言に委縮することなく、今後も商品や作品の感想を堂々と発信
していっていいんじゃないかと、個人的には思いますけどね。言葉選びは大事ですけどね!

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2025年6月30日 (月)

2025年 春アニメ 完走した感想

■高評価作品
「ある魔女が死ぬまで」
「中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。」
「#コンパス2.0 戦闘摂理解析システム」

"好"評価作品
「mono」
「忍者と殺し屋のふたりぐらし」
「一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師闇ヒーラーとして楽しく生きる」

■高評価継続作品
「薬屋のひとりごと」2期 2クール後半
「黒執事 -緑の魔女編-」5期
「小市民シリーズ」分割2クール後半
「阿波連さんははかれない season2」

□高評価話題作
「ウマ娘 シンデレラグレイ」
「TO BE HERO X」
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」

■3月中に放送終了しなかった作品
「薬屋のひとりごと」2期 2クール後半 最終回のみ7月に持ち越し
「鬼人幻燈抄」2クール
「宇宙人ムームー」2クール
「Summer Pockets」2クール
「ウィッチウォッチ」2クール
「真・侍伝 YAIBA」2クール?
「TO BE HERO X」2クール?


◇その他備考
・テレ朝ANiMAZiNG!!!枠のショートアニメ企画「ラノベアニメ」、略して「ラノアニ」が6月から配信開始。
 最近流行りのショートドラマのアニメ版のようなものか。全4作品、7月から地上波でも放送予定。
・いわゆる『宇宙猫』描写。カルチャーショックなどに遭遇した際、背景が宇宙になる演出が最近非常に多い。
 流行りネタ、一過性のネタだろうし多用を控えたほうがいいと個人的には思っている。


アニメの感想を書く際に「一番おもしろい」と気軽に書かないほうがいいと、今期は特に思いました。
どうせ全部は見ていないのだから。かなりの本数を見てる自覚がある自分でも一番を決めるのは難しいというか
一番を決めるなんておこがましいと感じるし、どのみち主観的評価にしかなりえません。
投票形式にすれば作品の出来の良し悪しではなくただの人気投票になっちゃうし、「一番おもしろい」ではない。

そもそも何をもって「おもしろい」とするか、評価のポイントが見る人によって全然違うんですよね。
評価基準が近い人同士なら共感もできるのでしょうけど、近い人に自分はあまり出会ったことがありません。

そんなわけで、あなたが思う「今期一番」と当方の感想が一致しなくても大目に見てほしいなと、切に願います。



以下短評。


・「ある魔女が死ぬまで」
初回を見ただけではどうしてもありきたりな印象で、呪いを解決するまでのステップも想像できてしまうのだが
本作が波に乗ってくるのは2話以降。メグを中心とした軽妙な掛け合いがだんだん心地よくなってくる。
9話で方向性が若干変わり、やっぱりこういう方法で解決するのだな…というクライマックスに向かう。
1クールで呪いの解決まではいかないのだが、本作との別れを寂しいと思わせただけでもう成功なのではないか。


・「中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。」
ティーン向けかつ各話完結の推理ものとしてうまくできていた印象。京極堂シリーズを知らなくても大丈夫。
推理に必要な情報が画面にきちんと提示されていて、いっしょに推理しながら見れるのってホント大事だと思う。
たとえそれがシンプルで簡単であっても、視聴者が"気付き"を得られるかどうかが視聴体験として大きい。
しかしティーン向けゆえか、真相が意外と恋愛絡みだったりする。軍のスパイとかみたいなのは一切出てこない。


・「#コンパス2.0 戦闘摂理解析システム」
なぜいまさらのアニメ化なのか疑問はあったが、原作をまったく知らなくても楽しめる地味に優秀な作品だった。
原作をよく知っていればヒーロー同士の掛け合いや関係性などをより深く楽しめたのかもしれない。
今期は本作をはじめ、『思い出を人質に取られる』物語が多かったような気がする。近年の傾向だろうか。
終盤登場したロキを完全な悪者とはせず、みんなで戦うラスボスを別に用意したのもうまいやり方だと思った。


・「ボールパークでつかまえて!」
テレ東が深夜新枠にもってきた作品としては、画面から受ける印象は正直言うと芳しくはなかった。
だが、本作を通じて野球を観戦すること、野球場に足を運ぶことの魅力はじゅうぶんに伝わったと思っている。
ちょろいもので、自分もいま野球場に行きたくなっている(笑)応援するチームがなくても楽しいものだ。


・「ゴリラの神から加護された令嬢は王立騎士団で可愛がられる」
基本的に好きな作品ではあったのだが、反王政派組織との戦いが本格化する10話以降の内容には疑問が多い。
反王政とは「加護の優劣による評価」への反対なのだが、彼らもまた加護の力でテロをおこなっているわけで。
(爆発物によるテロが描かれた4話はそういう意味では正しい戦い方をしていたのだと思う)
おそらく加護が撤廃された世界で次にものを言うのは血筋。つまり、普通の階級社会に戻るのではないかと。
それなら"加護ガチャ"でワンチャンある現在の王政のほうがよっぽど平等なのでは。

10話でカメムシやミミズの加護がハズレ扱いされていたが、彼らにも活躍の場は絶対にあると思う。
あと、最終話に登場するいくつかの加護の解釈にツッコみどころが。アリの加護はゴリラよりも強いのか。
ヒョウの加護がどんなに強くても銃弾を目で見て弾くのは無理だと思う。なのにゴリラパンチは避けられない。


・「一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師闇ヒーラーとして楽しく生きる」
異世界ものという大きな括りのなかでは今期一番おもしろかったかもしれない。後半の王立治療院編が特筆
前半の貧民街での騒動、追放した側との話は正直言って平凡。ただ、人情があってイヤな感じはしない。
行方不明になったアフレッドを捜索すべく潜り込んだ治療院での出会い。特にクレソンの存在感は忘れられない。
治癒を主題にしたクライマックス、アフレッドの問題に帰結する流れは見終えて非常に気持ちいいものだった。


・「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」
初回を見たときに感じた『オフィシャルの二次創作』という印象が、実際当たっていたみたいな感じ。
詳しくは書かないが、みんながガンダムという作品を知っている前提で、ありえたかもしれない宇宙を提供する。
ガンダム好きな人たちが集まって総力を結集して描いた"出来の良い同人誌"みたいなものと思えばしっくりくる。
落としどころの美しさもあって、見終えてイヤな気持ちになった人は少ないのではないか。
だが見る人によっては不快に感じるかもしれないし、「自分ならこう妄想する」と異論も出てくるはず。
見たうえでアレコレと議論するところまでが作品の一部になっていたと言えるだろう。
一年戦争の予備知識がないと楽しめないかもしれないが、あれば後年ひとりで見てもじゅうぶん楽しめると思う。


・「アポカリプスホテル」
本作にはタイトルが示すとおりのセンチメンタルなところもあるが、本質はコメディなのだろう。
最終話の締めを見てそう確信。だから11話が特例というか、体裁を保つための気まぐれのように感じられた。
しかし視聴者側がどんな気持ちで見るかはまた別の話で、どこかノスタルジーを求めて見ていたのではないか。
未来の600年間に懐かしさを抱くというのも妙な話だが、周囲の感想も踏まえるとそんな解釈ができる。


・「ユア・フォルマ」
タイトルのわりに、ユア・フォルマやその内部を捜査する『電索』の要素が薄かったのが意外。
どちらかといえば『アミクス』と呼ばれるアンドロイドと、彼らの行動指針である『敬愛規律』の比重が大きい。
もっと言えば、フィジカルで解決する事件が大半を占めていたように思える。SF刑事ドラマといったおもむき。
SF好きとして楽しんで見ていたのは間違いないが、もっと『電索』が活躍する話であってほしかった
本作の情報量を伝わりやすく映像化できていたとは思えない。毎週何度も一時停止しながら追いかけていた。


・「前橋ウィッチーズ」
評価が難しい。序盤はとにかく忙しくガチャガチャしていて、見ていて疲れる感じで印象はよくなかった。
中盤を過ぎるとそれが落ち着き、5人それぞれの人柄と、本作で描こうとしているものが見えてくる。
終盤はどこかで見た感じがしなくもないが、ここまで見続けた人の心に残るセリフを引き出せていたとは思う。
難しいと感じるのは、自分のなかの"負の精神面"が本作のポジティブさを素直に受け入れられないからかも。
解決よりも共感が正しいと思わせるような。だから自分は共感できなかったのかもしれない。


・「九龍ジェネリックロマンス」
前述の「前橋」が女性的な観点とするなら、本作は男性的な恋愛観を客観的に表現した物語であると感じた。
愛した女性の死に対する後悔から、終わらない夢のなかを繰り返し生き続けることを選んでしまった男性の物語。
どこかSF的であるため、SFとして考察しようとすると難しくなるが、シンプルに考えればとてもわかりやすい。
原作未完のためアニメオリジナルの結末を迎えたらしく、この終わり方を個人的には悪くないと思った。


・「LAZARUS(ラザロ)」
これも評価が難しい…それに、最後に「故・信本敬子に捧ぐ」と書かれてしまうと何も言えない空気がある。
ひとつハッキリ言えるのは、双龍まわりの話はまるまる要らなかった。アクセルの対戦相手として存在しただけ。
そのぶんの尺を陸軍情報部との対立や、空港で起きた事件の盛り付けに寄せてもよかったのでは。
落としどころがどこか消極的で竜頭蛇尾な印象がある。本作をエピソードゼロとした続編ができたらよいかも?


・「Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。」
そんなに熱心に見続けていたわけではないが最後まで見てしまった。おかげで良い収穫にもなったのだが。
22話のフィニスを模した世界で、ありえたかもしれないサンダーパイクの面々と出会う場面にぐっときてしまい
本作のもっとも大きな部分ってやっぱりサイモンとの別れだったんだなと、あらためて気付くことができた。
一介の冒険者に背負わせるにしては話の規模が大きくなりすぎたと感じていただけに特に。


・「片田舎のおっさん、剣聖になる」
画面の美しさ、戦闘シーンの動きは特筆。それだけに、話のありきたりな感じに肩すかしを喰らう。
主人公・ベリルの年齢設定の問題でハーレムの否定こそされるが、起きていることは実質ハーレムではないかと。
あと、ベリルのモノローグにかけられているリバーブに序盤は違和感を覚えた。終盤はもう忘れていた。


・「紫雲寺家の子供たち」
さすがの動画工房で絵はバツグンにキレイだったのだが、登場人物たちの常識のなさに終始ツッコみが絶えない。
常識が欠落しているのは「紫雲寺家の人々がセレブだから」と解釈することも可能ではある。
普通の人ならやらないことを"知らないから"やってしまう。常識はずれのお金と体力があるからできてしまう。
つねに周囲から持て囃されてきたから、承認しかされてこなかった人生だから、疑問にも思わないのではないか。
この"常識のズレ"を原作者が意図的に書いているとしたらたいしたものだと思う。
他の漫画家や脚本家とは大きく異なる『感動の作り方』をどう受け止めるかで、本作の評価は変わるかも。

本作の感想を読んでいて『マガジンモブ』という表現を初めて知った。ちなみに掲載誌はヤングアニマルである。


最後にちょっと余談を。

「予備知識があればもっと楽しめる」ならよいが、「予備知識がないと楽しめない」になってはいけないと思う。
「この作品を100%理解するにはアレもコレも見ておかないと…」みたいな強迫観念につながってしまう。
パロディにしても「わからないなりに笑える」ものにしておくべきで、「わからないと笑えない」のはよくない。
元ネタを知らなくても笑えるのが良いパロディ、知らないと笑えないのは悪いパロディだ。

このことが気になった代表的な作品は「ウィッチウォッチ」。週刊少年ジャンプのネタが説明なしに出てくる。
他にも「炎炎ノ消防隊 参ノ章」や「「プリンセッション・オーケストラ」でも同様のパロディが確認された。


ターゲット層を考えると「プリオケ」は特にひどいと思う。本気で子供向けのアニメを書く気があるのだろうか。
それでなくても欠点が非常に多い第1クールだったので、夏以降きちんと修正をかけていってほしいと思う。
シンフォギアシリーズとの比較とかは関係なく、一個のアニメとして「プリオケ」は芳しくなかった。



少し前にAmazonで買い物した際、これまでずっと回避し続けていたAmazon Primeのお試しのほうをうっかり
クリックしてしまっていたらしく、サービス開始の通知を見て「やってしまった」と気付きました。
仕方ないので利用できるあいだは利用しようと思ったんですけど、結局ほとんど利用しないまま期間が終了。
地上波でこんだけアニメ見てたらそりゃ利用するヒマもないだろうと…わかりきっていたことなんです。

それでも1本だけ、以前から見たいと思っていた「劇場版 名探偵コナン ハロウィンの花嫁」を視聴。
長年続いているドル箱映画なだけあって、オトナが見てもじゅうぶん楽しめるエンターテイメント作品でした。


白石麻衣はいい役もらったなぁ…難しい役でもあるし、この映画を見て一番記憶に残る役だったとも思います。
安室はアレだ、トム・クルーズ的な立場なんだ(笑)コナン君が担当できないアクションを担う人なのでしょう。
終始すごく良い映画だっただけに、最後の"超巨大サッカーボール"だけはちょっと…。
さすがにあの大きさは絵的にギャグになってしまうし、他に方法がなかったのかと気になってしまいました。

「ダイハード3」でもおなじみの液体爆弾、上のパイプを破損するだけで機能しなくなってしまうのでは。
その場で切断できないほど硬い素材でできているとも思えないし…などと思いつつ見て、夜明けを迎えました。

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2025年4月14日 (月)

2025年 春アニメ注目作品

■お気に入り作品(暫定)
「ゴリラの神から加護された令嬢は王立騎士団で可愛がられる」
「ある魔女が死ぬまで」※2話以降、評価が上がっていくタイプかも?

■新作ピックアップ
「ユア・フォルマ」
「忍者と殺し屋のふたりぐらし」
「アポカリプスホテル」
「TO BE HERO X」

■続編ピックアップ
「小市民シリーズ」分割2クール後半(11話~)
「阿波連さんははかれない season2」2期
「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 SeasonⅡ」2期(2024年夏 → 2025年春)

■前期からの継続作品
「Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。」2クール後半(12話~)
「薬屋のひとりごと」2期 2クール後半(37話~)
「魔神創造伝ワタル」(13話~)

□話題の新作
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」
「ウマ娘 シンデレラグレイ」
「LAZARUS(ラザロ)」
「真・侍伝 YAIBA」


◇その他備考
・テレビ朝日が『イマニメーション』と題したアニメ新枠を、フジテレビが金曜に『ノイタミナ』新枠を設置。
・民放各社がアニメ放送に積極性を見せ始めたのに対し、TOKYO MXは再放送が多い印象がある。
・「GQuuuuuuX」の放送枠が直前のバラエティ番組と一体化しており、単体で録画予約できないことが話題に。
・アニメの公式サイトが縦1枚の、スマホで見る前提のデザインに変わりつつある。
 画面に一度に表示できる情報量がPCとくらべて少なく、なのに読み込む量は多い。ちょっと不便に感じる。


民放がアニメに本気を見せ始めたと感じる今期。ちゃんとお金をかけて良いものを作ろうとしている印象あり。

新作のなかからまず話題にしたいと思ったのもテレ朝で放送がはじまった「ユア・フォルマ」
よく『not for me』という表現が使われますが、本作はあきらかに『for you』として作られているなぁと。
原作2巻の内容からいきなり始まる、結構突き放した作りではあるんですけど、"わかっている人"ならそれでも
すんなり見れてしまうというか。わかる言語で話してくれてる感じがして。これは見ようと思いました。

「シンデレラグレイ」は「原作とくらべて迫力に欠ける」なんて声も見かけましたが…贅沢な話だと思います。
制作は安心のCygamesPicturesで、今期ほかに「アポカリプスホテル」のほうも担当。どちらも優良品質。


2006年から19年間フジテレビの日曜朝の看板作品を務めてきた「ONE PIECE」が突如、深夜枠へと異動となり
その代わりに始まったリ・ハオリン監督の「TO BE HERO X」。やはり違和感はあります。
日曜の朝らしくない、どちらかといえば深夜向きで、しかもコア層であれば納得して楽しめる感じの作風で。
これまで「ONE PIECE」を楽しみにしていた方々からの不満や非難がSNS上にあふれていました。

メチャクチャお金かかってる感じはするし、ものすごい話題作になる可能性も秘めている作品だとは思います。
ただ、人物名が原語そのままなので耳で聞き取りづらいなど、ライト層の壁になってる部分もあるのでは。
どうせローカライズするのであればもっと日本人に馴染みやすい変更を加えてもよかったのかもしれません。


今期最大の話題作は間違いなく「GQuuuuuuX」ですが、少々問題がありまして…。
先行上映された「Beginning」にサプライズ要素の多くをネタバレされた状態で見ることになってしまったため
本来サプライズで加点されるべきところが加点されず、評価に少なからず影響してしまうところがあります。
映画館で見た人たちの異様な興奮とくらべるとどうしたって温度差がある。仕方ないことと思ってください。


「忍者と殺し屋のふたりぐらし」はシャフトと宮本監督による新作。
2000年代のシャフト作品、特に「まどマギ」が社会現象的人気を獲得する以前のシャフト作品ってこんな雰囲気
だったなぁと思い起こさせるような、ちょっと懐かしさの漂う殺伐コメディ。

今期個人的に一番うれしいのは「キミ戦Ⅱ」の放送再開かもしれません。待ちに待ったという感じ。
既に2度は見たはずの第1話もニコニコしながら画面を見つめていました。初回放送分とは微妙な変化もあり。



サイエンスSARUによる「攻殻機動隊」の新アニメの制作が発表され、次の草薙素子は誰が演じるのか?という
話題が早くも出てきています。順当に考えれば坂本真綾が最有力候補なのかもしれません。

原作コミックのイメージに近い素子を描くつもりがあるなら、声も大幅に変更していい気がするんですよね。
希望を言わせてもらえば、自分を含むアニメオタクや声優オタクがすぐ思いつくような声優だけはやめてほしい。
できるだけ色のついていない、軽く批判が集まるくらい既存の素子のイメージと違うタイプの声がほしいです。

…などと書こうと思った理由は、Xのタイムライン上でちらっと見えた予想に不満を覚えたからです。


[追記]
既に収録が完了している可能性もあり、不謹慎なことを書いてしまったかも…と、掲載後に気付きました。
でも、既存のイメージから変えるつもりがあるなら大胆な変更が必要であると本心から思っています。

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2025年3月31日 (月)

2025年 冬アニメ 完走した感想

■高評価作品
「ハニーレモンソーダ」
「誰ソ彼ホテル」
「RINGING FATE」

"好"評価作品
「空色ユーティリティ」
「FARMAGIA」
「外れスキル《木の実マスター》」

■高評価継続作品
「チ。-地球の運動について-」2クール後半
アオのハコ」2クール後半
のミブロ」2クール後半
の祓魔師」4期後半(終夜篇)

□高評価話題作
「悪役令嬢転生おじさん」

■3月中に放送終了しなかった作品
「Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。」2クール
「薬屋のひとりごと」2期 2クール
「凍牌 〜裏レート麻雀闘牌録〜」最終回のみ4月に持ち越し
「アラフォー男の異世界通販」最終回のみ4月に持ち越し
「わたしの幸せな結婚」2期 25話の放送延期にともない、最終回が4月に持ち越し
「天久鷹央の推理カルテ」実写特番を3回も挿んだ結果、最終回が4月に持ち越し
「UniteUp! -Uni:Birth-」各ユニットにスポットを当てた『絆特番』を挿んだ結果、11話以降が4月に持ち越し

◇その他備考
・フジテレビの問題が大きくなり、1月下旬以降CM提供を降りる企業が続出。アニメ枠にも影響がおよぶ。
・2006年10月から約19年間、フジテレビの日曜朝の顔だった「ONE PIECE」が4月から23時台へ異動に。
・「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 SeasonⅡ」4月から放送仕切り直しが決定。
・「ハイガクラ」今夏(7月?)放送仕切り直しが決定。


1月中旬ごろ、コロナ以来の体調不良に見舞われ、アニメを見るどころではなくなってしまいまして。
結果として継続視聴の本数がいつもよりだいぶ絞られたのですが、今期はそれだけが理由ではなく。
放送開始前から名前が挙がっていた話題作も含め、総合的には芳しくないシーズンだったかもしれません。
それでも、序盤を見て期待できた作品は最後までしっかり楽しませてもらいました。


なんと言っても「チ。」がやっぱりすごい。5年に1本の傑作、いやサブカル史に残る名作と言っていいかも。

このテーマにひとりでも多くの人に触れてもらうため、アニメ化という手段をとったのではないかと。
大袈裟な言い方をさせてもらうと、すべての人が義務教育のあいだにぜひ見てもらいたい。
問題はレーティングかなぁ…まあまあ凄惨なシーンもありましたからね。でもNHKで放送できたんだからな?

ラファウという人物が何者だったのか。終盤の展開がファンのあいだでしばしば議論になります。
個人的な見方ですが、ラファウはある時代の個人ではなく、人間をそそのかす悪魔のような存在だったのでは。
知的好奇心をもつ人間に忍び寄る"知の悪魔"とでもいいましょうか。
後年のラファウは狂信的な異端審問官であり、知の解放に反する異端者を弾圧する存在でもありました。
そういう意味ではノヴァクと対になる存在。やはり偏ることなく中庸であることが肝要なのだろう、と思います。



以下短評。


・「ハニーレモンソーダ」
ストーリーに関して「現実的ではない」という声もあるかもしれないが、同じ夢を見るなら幸せなほうがいい。
そこはあくまで少女漫画というか。人生を変える王子様との出会いを物語として楽しんでほしいと思う。
非現実的な部分に対し、妙にリアリティのある不良生徒たちが混在するおもしろさがあった。
あゆみちゃんマジ天使。あゆみちゃんが出てくると画面に花が咲く。「アオのハコ」の笠原とは違う意味で天使。

「アオのハコ」は結末まで見せてほしいが、本作はこの先をあまり見たくない。この先悪いことが起きそうで。


・「RINGING FATE」
バトルものという体裁はとっているが、「時光代理人」のリ・ハオリンらしさを端々に感じる作品だった。
何かを得るために何かを失う。その対価が人生における大切なもの、記憶の喪失や回復につながるところなど。
随所に日本のアニメ文化に対するリスペクトやオマージュを感じると同時に、現在の中国のスタンダードである
セルルックの先をいく3DCG表現が取り入れられており、懐かしさと新しさが混在していた。

この先の展開は本国でもまだ描かれていないそうで。"あのエデン"に付き合わされる彩子がかなり不憫である。


・「空色ユーティリティ」
いいんだよこういうので。この言葉で全部説明がつく。趣味を題材にしたアニメに余計な心配事は要らないんだ。


・「誰ソ彼ホテル」
原作がありつつも1クールでキレイにまとめられていて、変更点を含め原作プレイヤーからの評価も上々。
多くのアニメを並行して見る人にとっては、他の作品に似た印象がない本作はよいポジションに来れたと思う。
桃河りかメチャクチャ売れてほしい。もっといろんなところで声を聞きたい。本作がきっかけになるか。


・「FARMAGIA」
本放送が金曜ロードショーの真裏という事情もあってか、今期の作品のなかで存在感はかなり薄いほうだったが
いかにも少年マンガらしいところを突いてくる感じが個人的には好きで。特に劇伴は素晴らしかった
ゲームの内容を1クールに詰め込もうとすると、積み重ねに必要な尺はどうしても足りなくなってしまう。
それでもうまくペース配分をして、作品の魅力をうまく伝えられるよう作られていたのではないか。


・「外れスキル《木の実マスター》」
今期の異世界もののなかでは出色の出来。特別珍しいことをしているわけではないのに全体的な水準が高かった
手慣れているといった雰囲気さえ感じられたが、中盤のザムド戦あたりには若干の不満を覚えた。
ザムド戦以降、主人公・ライトが不在のまま終わってしまうが、そもそもダブル主人公の物語なのかも。


・「想星のアクエリオン Myth of Emotions」
アクエリオンシリーズに造詣の浅い自分にはわからない、シリーズを知ってるからこそ感心できる部分が多いと
コアなファンの考察を読みつつ見ていたのだが、コアなファンをしても理解が難しい部分が多かったらしい。
個人的にはハナちゃんとカミサマの年齢や境遇を越えた奇妙な関係が好きだった。今回も青は裏切り枠。


・「SAKAMOTO DAYS」
放送開始前に聞きおよんでいた話題性はどこへ。ありふれた設定、それを魅力的に描けているわけでもなく。
前時代的なジャンプ原作アニメという印象。テレ東の土曜23時台に入れるにしては非力な内容であると感じた。


・「天久鷹央の推理カルテ」
真相は怪奇よりつまらない、原因が呪いであったほうが話としてはおもしろいという構造的欠陥を抱えている。
知識さえあれば画面を見ていて推理が可能なエピソードはまだいいが、まったく不可能なエピソードもあった。
本編の内容よりも実写特番の内容のほうが話題に。1クールで3回も特番をやったのはどうかと思うが。


・「BanG Dream! Ave Mujica」
シリーズファンとして毎週楽しく見ていたのは間違いない。来週どうなるか、展開が気になる作品ではあった。
しかし終わって振り返ってみると「話がおもしろかった」というのとはちょっと違うような気がしてくる。
意表を突くことで話題性を獲得することに終始していて、話のまとまりや整合性には欠けていたかもしれない。
前期終了時に「全部見てから評価したい」と書いたが、全部見終えてなお評価にちょっと悩むところがある。

過去のシリーズとくらべて男性の関わりが多く、どこまで思いどおりに書けていたかは疑問が残る。
異性を完全に排除するとどうしても不都合が生じるので、書き手のポリシーとの衝突は避けられないのかも?

個人的に一番気になっているのは"本物の初華"が現在どこで何をしていて、初華の芸能活動をどう見ているか。
いろいろと血縁の設定を出して振り回したわりに、縛られることなく解決したのがご都合主義にも見える。
学生の身分でできることの限界を指摘した前期の祥子のセリフを思い出すと矛盾を覚えるような。



余談。特撮界隈で著名な、東映の白倉伸一郎Pが入社当時に言われた「テレビと映画は違う」という言葉。

テレビはそれまでのラジオと入れ替わるように、ラジオと同じように視聴者が接するメディアである。
垂れ流し、ときには画面を見ていないことすらある。でも耳では聞こえている。
映画のように画面に集中していなくても、何が起きているのか音で伝わるよう説明を盛り込む必要がある…と。

これはテレビアニメについても言えることで。昨今のテレビアニメは画面の情報に頼りすぎていると感じます。
いわゆる説明ゼリフも含め、耳から得る情報を"ダサいもの"として排除する傾向があるのかもしれません。
アニメは画面を見てもらってなんぼのメディアではあるのですが、画面だけが魅力ではないはずなんです。
テレビアニメとしてテレビにかけている以上、テレビの見られ方を意識した作品づくりを考えるべきと思います。

ようするに、画面に文字だけ表示して説明を済ませた気になってんじゃねえぞ?って話ですね。
今期は特にこれをどうしても言いたかった。次回予告のフリした用語解説。"フラッシュ暗算"と揶揄された独白。

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