2020年12月24日 (木)

この1か月で作った「VRChat」用アバター3作

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Blenderイジりたい欲がだいぶ落ち着いてきたので、ここらでちょっと作ったものについて語ってみようかと。

デビュー作である「Potte(仮)」は、potteryというファイルネームからして陶器モチーフのアバター。
当初のコンセプトは『ペルシャ風』で、全体のシルエットにその雰囲気を感じ取ってもらえれば…と思いますが
ペルシャ陶器の模様などを盛り込んでいったところ、ペルシャよりも陶器の主張が強くなってしまいまして。

Blenderのシェーダーがまた陶器の表現にピッタリだったんですよね。ツヤツヤですごくキレイで。
このツヤ感をそのまま「VRChat」に持ち込めればよかったのですが、さすがにそこまではできませんでした。

いや、できるのかもしれないんですけど。Oculus Quest 2からでは結果を確認できないので…。


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2作目の「Nurse Bot(仮)」は、某氏の作風を模倣することに注力した習作。かつ実験体です。
メイドモチーフはありきたりだと思ったので、『第一次大戦中の看護師』をもとにデザインをまとめました。
本当ならロングスカートであるべきなんですけど、可動と干渉を考慮して膝丈でカットすることに。
正面からはエプロンとスカートに見えて、実際は乗馬ズボンのような構造の腿が太めのパンツになってます。

実験体と説明したのは、「VRChat」の技術をこのアバターでいろいろ試しているからですね。
シェイプキーを利用した表情変化を実装するため、目の形状が初期よりもだいぶシンプルになりました。


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3作目は「Bull a.k.a Beco」。見たまんま『赤べこ』です(笑)なんか作りたくなったんですよ。
次に何を作るかなぁ?と自宅を見回していたとき、たまたま目に留まった土産の赤べこに白羽の矢が立ちまして。
来年の干支が『丑』であることに気付いたのは完成したあとのこと。本当に偶然でした。

完成したものを「VRChat」で披露したところ、ある方から「コロナを祓うため?」と聞かれました。
そこまで考えてなかったなぁ…そういうことにしよ。作品の解釈ってこうして広がるのだなぁと変に感心したり。

実際に動かしてみて、ここまで腕が短いと正常に動作しないことがわかりました。
「VRChat」で公開されている頭身の低いアバターって、そういえば腕だけはちゃんと長いままだなぁと。
何かしらの対策方法はあると思うのですが、やはりそれなりの長さがあったほうが便利だと思います。
だって、ワールドでミラーを表示するボタンを押すのすら苦労しますから…身振り手振りで伝えるのも難しいし。



現在は次のアバターを作るにあたって、ラフを描いたりして造形のイメージを固めているところです。
ただ、その過程でちょっと悩みというか疑問に直面していまして…そこで作業が止まっています。

自分が本当になりたい、こうでありたいと思う姿カタチってどんなだろう?と、改めて考えていまして。
それは魂のカタチとでもいうか…現実の肉体とは違う、本来あるべき心の器とでも表現しますか。
現実の外見に囚われず、自分の内面そのままに振舞えるような姿カタチというのがなかなか思いつかないのです。
イメージが固まらないことにはBlenderの作業も進まず、最近は起動する日も減りつつあります。

人間は外見に引っ張られて言動を変えているのかもしれない。異性になれば異性に、ロボになればロボになる。
では、内面そのままの自分とはなんなのだろう。マジメに考えるとなかなか難しいテーマです。

年内はアバター作りを保留して、ゲームして秋アニメの感想を書いておしまいかな。2020年、残り1週間。

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2020年12月 7日 (月)

「VRChat」用アバター公開にいたるまで

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前回、前々回とお伝えしてきたQuest向け「VRChat」用アバターの制作。第1号が完成したのが約1週間前。
ブログの更新が1週間も遅れてしまったため、現在既に第2号のアップロードまで済んでる状態です。
ブログの執筆よりもアバター制作を優先した結果といいますか…単純におもしろくなっちゃっていまして。

「VRChat」に消えた人の行方を尋ねると「彼はBlenderへ行った」と言われ、Blenderのほうを尋ねると今度は
「彼はUnityへ行った」と言われ…みたいな笑い話があるそうですが、たしかにそんな流れですね。

自分の手で作ったものが立体になり、実用品として動き出す。この楽しさにハマってしまった感じがします。


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さて、どこから話せばいいやら…第1号の完成にいたるまでの段階はきちんとお伝えするべきですか。
4体目の習作があらかた済んだあと、UV展開とテクスチャ制作、ボーンの組み込みの順に作業を進めました。
UV展開というのはテクスチャ制作の前段階である、3Dモデルの展開図の制作のこと。
3Dモデルにシームと呼ばれる切れ目を入れて、テクスチャの管理をしやすいよう3D → 2D化していきます。

イメージとしては、6面体のサイコロを正方形が6つならんだ状態に解体するみたいな。そんな感じ。

サイコロよりもはるかに複雑な3Dモデルをどうやって展開するのだろう?と、始める前は疑問でいたのですが
顔なら顔、腕なら腕と、おおまかにシームを指定すればあとはソフト側が勝手にやってくれます

一応セオリーはあって、できるだけ目立たないところにシームを入れるのが基本です。
胴体なら腋の下の側面に沿ってとか、脚なら内側にくる股のほうとか。隠れる位置に配置するわけですね。
ツメやくちびるだけシームで切り離しておくとメイクが手軽になるので地味にオススメです。


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Blenderで制作した展開図をもとに、次はテクスチャを作っていきます。
Blender内にもテクスチャ制作の機能は当然あるのですが、ほとんどの人が外部のDTPソフトで作ってるのでは。
自分も2Dでの画像制作歴が長いので、使い慣れたDTPソフトでテクスチャを描くことにしました。

展開図は透過PNGで出力できるので、それを利用して手描きなり素材を切り張りするなりして作ります。

作業中「これって何かに似てるな?」と思ったんですけど、プラモデルについてるシールに似てるんですよね。
一枚の台紙のうえにムダなく配置していくと、なんかもうシールにしか見えなくなってくる(笑)


デフォルトだと1024×1024の正方形のテクスチャになるのですが、これが思いのほか狭い。
こまかい模様とか入れようと思うと大変で…三角面の数と同じで、見せたい部分と節約のバランスが大事です。
腕や足など左右対称になる部分は複数のUVを重ねて配置することもできます。
重ねたぶん面積に余裕が生まれるので、顔などこまかく描き込みたいUVを大きく取ることができたりします。

逆に単色でベタ塗りしたい部分などはUVを極限まで縮小して重ねて配置…なんて省エネ方法もあり。
ただ、できればすべてのUVが重ならないよう配置できるのが理想です。理由は諸々。


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3Dモデルにテクスチャを貼って外観が完成したら、あとは動かすためのボーンの組み込みです。
これもゼロから作ることはできるんですけど、今回は先人が公開している「VRChat」用ボーンを拝借しました。

正確にはボーンではなく、ボーンの集合体としてアーマチュアという呼び方をします。
「VRChat」側の指定に則って作られたアーマチュアを引用し、自作の3Dモデルに合わせて長さを調整。
指みたいに細いところとか難しいのでは?と思ったんですけど、意外とすんなり動くようにはなりました。
組み込むだけならそんなに難しくはないです。問題は、関節を曲げた際に起きる3Dモデルの変形のほうでして。


ボーンを動かしたとき3Dモデルの表面がどれくらい影響を受けるかを、ウェイトペイントという機能で決めます。
基本はソフト側に自動で指定してもらうのですが、それだと想定以上に変形してしまう場合もあるわけで。
手をグーにしたら手の甲の部分が凹んだりとか、想像もしていなかった『不具合』が起きうるのです。

「まったく影響を受けないようにすりゃいいじゃん」と、数値をゼロにしてしまうとそれはそれでダメだったり。
指の先からトゲのように皮膚が伸びたときは笑うと同時に「どうしたら直るの?」とだいぶ悩みました。

思い通りに変形させるためにはホントにコツコツやるしかありません。想像以上に時間がかかる工程です。


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そして冒頭で挙げたUnity環境での作業へとうとう移るのですが…ここからがある意味で一番大変だったかも。
Unityのインストール自体が難しいし、表示項目の意味を理解するところから始めなければならないしで。

「VRChat」のアバターはUnity環境を通じてサーバへアップロードする形式になっています。
よくある「公式ホームページでファイルを選んでアップロード!」みたいな手軽な話ではないんですよ。
アップロードするための窓口となるUnityの開発環境をPC上に構築するところから始める必要があるわけです。
そこそこPCに詳しいと自負してる自分でもちょっと気が引ける話でした…。


インストールの段階で注意しなければならないのが、最新版をインストールしてはいけないということ。
「VRChat」側が指定している「VRChat」に対応したバージョンを選んでインストールしなければなりません。
まずUnity Hubをインストールして、指定のバージョンのUnityをインストールする。うーん…なるほど。

それと、インストール自体にもかなり時間がかかるんですよ。Blenderとは比にならないくらい。
必要環境の準備に数時間、起動から新規制作まで数分、「VRChat」のSDKを入れるのにまた数分待たされます。


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アップロードまでの作業手順は先人たちが公開している記事を参考にしましたが、ここでも問題がひとつ。
書いてあるとおりにならない。「ここでフォルダが作成されます」って書いてるけど作成されないじゃん…とか。
仕方ないので話半分に聞きつつ、自分なりのノウハウを確立していくことにしました。

最初は本当に大変でしたけど、一度できるようになってしまうと次回以降は簡単なもんです。
項目の意味なんて理解していなくてもよくて(笑)チェックを入れるべき項目にチェックを入れるだけでいい。
それぐらいの流れ作業にできないと、アバターの修正の繰り返しに時間がかかって仕方ありません。
第1号は毎回の修正とアップロードに30分、それを16回も繰り返していたことになります…計算したくない。


かくして、自分も自作アバター勢の一員となりました。やりゃあできるもんです。

BlenderとUnityの作業中たくさんのメモを取っていたので、後日まとめて記事にしようと思ってます。
これは誰かに読んでもらうためというよりは自分のための備忘録として。参考になるならそれはそれでよしと。



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余談。第2号は普段使用している某氏制作のパブリックアバターの代わりになるものとしてデザインしました。
しかしいざ披露してみると、「○○さん(某氏)のアバターっていいよね」という話に。
作風を忠実に再現しようと作り込んだあまり、自作のアバターとして認識してもらえなかった…(笑)
これはいかんなぁと思って、すぐに使用を取りやめました。もうちょっとオリジナリティを出さないと。

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2020年11月24日 (火)

Quest向け「VRChat」用アバター制作中

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Blenderデビューして約2週間。Blenderが予想外に楽しくて、ブログの更新がだいぶ遅れてしまいました。
Quest向け「VRChat」用のアバター制作の経過は現時点でこんな具合になっております。

前回の記事でお見せした頭部のあと、全身の素体を用意するまではわりとサクサク進みました。
全身の三角面(ポリゴン)の数を5,000以内に抑える予定で始めましたが、その時点で既に5,000間近に…。
これはモデリングの性質上の問題といいますか、素っ裸というのは意外と三角面が増えてしまうものなんですよ。

どういうことかというと、服を着てるほうが大雑把な造型でも見れる状態になるんですね。
ヒジやヒザ、女性なら胸から腋にかけてのラインなど、微妙な凹凸で構成されるところを覆い隠せるわけです。


三角面の数を確実に5,000以下にしたいなら、三角面をたくさん使う部分をあらかじめ絞っておくべきでしょう。
コミュニケーションのうえで一番見られる部分、そして見せたい部分でもある首から上。顔や髪。
自分で操作するうえで一番視界に入りやすい手と指。ここに目標値の半分くらいは三角面を使ってもいいはず。
逆に、「ここは三角面をあまり使わずに作れる」という部分を見つけてガッツリ省くのも大事です。

三角数を制限なしに使って、そこから5,000以下に減らすのはかなり難しいです。あまりオススメできません。
たとえるなら「HD画質で作ってから解像度を落としてドット絵にする」ようなものですから。


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予定していた服装を作って、その服装で隠れる部分を削除することで4,850ぐらいまで減らすことができました。
余った三角面は造型的に盛りたいところだったり、細部をより突き詰めるのに使っていこうと思います。

この2週間で一番悩んだ、一番時間がかかった部分は髪でした。髪は本当に難しい。大変。
できるだけ三角面を増やさず、どの角度からでも破綻なく見えて、それでいて自分の好みに合うカタチのものを
いろんなアプローチで作ってみたのですが、どうにも納得のいくものができず足踏み状態に。
どうしたものか…としばし考えて、過去の自分の作品にヒントを求めることにしました。


昔から当ブログをお読みの方々は、過去にアクションフィギュアの改造などをしていたことを覚えているはず。

アクションフィギュアはその性質上、長髪を採用するケースは少ないんですよね。可動範囲が狭くなるし。
パーツや関節の数、材料の量を切り詰めようとするとどうしても短髪になる。
アナログのアクションフィギュアに見られるこうした制約はローポリのアバターにも共通するところがあります。

ようするに、制約から逆算してデザインを考えるということ。
髪は長くても首までで、可動部をゼロに。コートやスカートなどひらひらした服装は避ける。シンプルさの鉄則。


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先に紹介したモデルはBlenderに取り組みはじめて3体目のもので、こちらはこの土日で作った4体目になります。

自分はいわゆる無言勢なので、「しゃべりそうな見た目」のアバターじゃないほうがいいと思ったんです。
そういうコンセプトなら新たに作り直すべきか?となり、前の3体分の経験も投じて作ったらこうなりました。
個人的にもこれが一番気に入ったというか、自分らしい曲線が出ているものになった気がしてます。

でもね…三角面が多いんですよ。気を付けて作っていたのに、曲面が多くていつの間にか5,000を超えてました。
ただ、ここから削ると損なわれる部分も大きいので妥協しようかな?と考えています。


三角面5,000というのは「Questで特に追加操作しなくても表示されるアバター」の条件なんです。
実際そこまで抑えて作ってるアバターを使っている人は少なく、10,000以下なら許容される状態なんですよね。
10,000になるとすごくラクなんで。10,000あればやりたいことは大抵できますから。
利用の実態に合わせて「VRChat」側が条件を変更してくれたらよいのですが…なかなか難しいかな?


造型が終わってもまだまだ難題は続きます。次はUV展開、いわゆるテクスチャの制作が待ち受けています。
ボーンの組み込みやUnity環境での操作など、その先も未知の領域が延々と続く…。



「VRChat」のアバターを作るにあたって、ほかにもデザインの条件をいくつか検討していました。

まず大前提として、ケモ耳は絶対に避ける(笑)「VRChat」にはケモ耳が多すぎます。
既存のものに似たデザインを避けるため、服装においても除外すべき条件はありましたが、それはまあさておき。
リリース時期が冬場ということで、厚着にしたほうがいいかな?なんてことも地味に考えていたり。

三角面の数を徹底的に減らしたいなら指もなくしちゃっていいかもしれません。自分はやりませんけど。
「VRChat」におけるハンドジェスチャーって結構大事ですし。特に無言勢にとっては大きな武器となります。

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2020年11月 9日 (月)

Quest 2と「VRChat」がもたらした変化

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Oculus Quest 2購入前はほとんど興味がなかった「VRChat」。現在ではQuest 2の用途のメインになってます。
というか、他のことにQuest 2をまったく使わなくなったと言ってもいいかもしれません。

Quest 2の具合がある程度わかったら興味のあるゲームをひとつ買おう!くらいに考えていたんですよ。
でも結局買ってないのは、「VRChat」の中でできることのおもしろさが他への興味を凌駕してしまったから。
しかもこれ無料ですからね。無料のアプリに大量の時間と体力を奪われてます。こんなにハマってしまうとは…。


Quest 2から覗く「VRChat」の世界はホンモノの「VRChat」ではない。そんなふうに言う人もいます。
たしかにQuest版の「VRChat」は様々な制限があって、すべてのものを見ることはできません。
しかし、それで魅力が失われるか?といえばそんなことはなく。むしろ手軽であることの魅力が大きいんですよ。
Quest 2さえあれば「VRChat」に潜れる。軽自動車には軽自動車なりの魅力があるみたいな、そんな感覚。


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 (このイラスト、VR上では立体的に見えるように描いたのですが…画像だと伝わりませんよね)

いわゆる無言勢でもそんなに問題ないですしね。自分は「VRChat」で一言も発したことがありません。
それでもフレンドがたくさんできて、始めて1週間でNew Userに昇格できたのは無言勢なりのコミュ力というか
身振り手振りや手描きで相手に伝える能力をそれなりにもっていたからかもしれません。

昔ちょっとイヤなことがあって長らく絵を描いていなかったのですが、「VRChat」ではたくさん描いています。
解像度の低さに妥協できるというのもあり。でも、それよりも瞬間芸として見せられる楽しさがあります。

「VRChat」のシステム上、描いたものをあとから来た人が見るってのができないんですよね。
なので、その日たまたま同じワールドのインスタンスにいた人にだけ見せることができる絵になるんです。
いつまでもいてくれるわけじゃないし、会話の流れでテーマも変わる。それに合わせて素早く描く。
昔で言うところのお絵描きチャットみたいな交流というか。それがVRによって新たな遊びになっている感じ。


New Userに昇格すると自分のアバターとワールドを「VRChat」にアップロードできるようになります。


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さすがにそこまではいいかな?と思っていたのですが、パブリックなアバターに好みのデザインのものがなくて
とうとうBlenderにまで手を出してしまいました…これは完全に想定外のことです。

Blenderというのは3DCGのモデリンクソフトで、無料で提供されているので誰でもすぐに始められます。
うちの安ノートPCでは動かないのでは?という不安はありましたが、意外と軽快に動いてますね。
Twitterのクライアントとブラウザ上のYouTubeを同時に動かしていても大丈夫なくらいシステムの負担は軽め。
モデリング自体は大昔に少しやっていたのとアナログでの経験があるので、まあまあなんとかなっています。

最初の壁はショートカットキーだったな…レクチャー動画とか、だいたいショートカットで説明しているので。
頻繁に使う10種類くらいのショートカットを覚えたらスムーズに操作できるようになりました。

わからないことがわかるようになって、新しいことができるようになる。何歳になっても楽しいものです。


Quest2oc12

Blenderデビューして3日目。試行錯誤しつつ作った2個目の頭部がこんな具合です。まだ未完成ですが。
Quest用のアバターとしてポリゴン数を5,000以内にする予定で作ってるので、だいぶローポリ感があります。

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2020年10月23日 (金)

Quest 2購入で訪れた「VRのある生活」

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先週14日に突然の購入報告をしたOculus Quest 2。あれから「VRのある生活」を楽しんでいます。
第1弾のレビュー記事では購入に至る経緯などを飛ばしてしまったので、今回はそのへんから書いていこうと。


以前からVRに対する興味はあったんですよ。ただ、スマホで試してみようか?という程度に収まっていました。
スマホ以上のVRとなると機材が高額で、PCもそれなりのスペックを求められて。何ができるのか不鮮明で。
そんななかで、大きな流れがやってきたわけです。スタンドアローン型で安くてすごいのが出ると。

ただ、その流れが来たタイミングがちょっと問題でして…奇しくも家庭用ゲーム機の新型発売が近い時期。
いまの自分にとって本当に必要なのはどちらだろう?としばらく悩みました。

決め手となったのは「これまで味わったことのない体験ができるのはどちらか?」という点。
家庭用ゲーム機はどんなに性能が上がっても、体験したことのある次元やルールからは抜け出せていない。
ならば、確実に新しい体験ができるものに投資したほうがいいのではないか?と思ったんですね。
そこからは本当にすぐで、一斉予約開始の2日後ぐらいには注文を完了していました。


注文してすぐにFacebookアカウントを新規に用意して、BAN対策として毎日いろいろな投稿を続けていました。
予約からローンチまでは3週間ほどあったので、VRに関する疑問をとにかく調べてはFacebookに投稿。
結構な文量になってるんですけど、おそらく日の目に見ることはないと思われます。閉鎖的SNSですしね…。

ちなみにFacebookアカウントは実名ですが、名前と生年月日以外は入力していないしフレンドもいません。
他にはスマホの「認証システム」というアプリで二段階認証を設定した程度です。


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「VRのある生活」で何が一番変わったかというと、自室にいる時間のうちの"座らずにいる"割合。

最初のうちは「座ったままでも全然遊べるじゃん!」と、静止モードに切り替えていろいろ遊んでいたのですが
立ってるほうがやっぱりいろいろできるという結論に至り、1日2時間は室内で立って過ごしています。

普通に考えると…というか、これまでの自分の生活から考えて、室内で2時間も立ってるっておかしいんですよ。
どう考えたって座ってるほうがラクだし、座らないとできない作業ばかりなんです。
ゲームするのに座らないってのも考えられないですし。立つにしても2時間立ち通しなんて、まずありえません。
自室で毎日2時間も立っていると何が変わるのか。体内の血流が変わり、体温が変わってくるんですね。

「Beat Saber」のような身体をものすごく動かすゲームじゃなくても、結構な変化を感じられます。
Touchコントローラーを握る手はつねに汗ばみ、変なところに筋肉痛が出てくる(笑)これがおもしろい。


VRのゲームもルールの部分だけ切り出して見れば、むしろ過去へ後退しているもののほうが多いと思うんです。
ルールの部分にメスを入れることなく、「ゲームで遊ぶ」という体験そのものを新しくしてしまう
なので、昔からゲームに触れている高齢ゲーマーのほうが新鮮に感じる度合いは大きいのではないかと。

これほど魅力的であるのに、その特殊性ゆえに『二次元の媒体』で伝えるのは難しいんですよね…。
実際にVR機器を手にして、自身の目で見て体感しないと伝わらない。そこがVR拡充における課題と言えます。


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いま日本でVRといえば避けて通れないのが「VRChat」。その魅力も徐々に理解できてきました。

この感覚、過去の何に一番近いかというと、MORPGやMMORPGの『オンして何もしていない時間』ですね。
「PSOBB」のロビーでダベっていたころや「FF14」でグループポーズを撮影するのによさげなロケ地を探して
歩き回っていた時間って、ずっとこんな感じだったなぁ…と。それをより自由にした感じといいますか。

戦闘もない、やらなきゃいけないクエストもない。こうありたいと思う姿で、いたい場所にいることができる
その居心地のよさにハマるのも当然でしょう。かつてそういうことをしていたから、よくわかりました。


現状唯一の問題は、諸事情により声でのコミュニケーションが自分には難しいこと。
幸い「VRChat」には身振り手振りやエモート、ワールドによっては手描きによる交流が可能ではあります。
しかし、入口となるのはやっぱりボイスチャットなんですよね。そこがどうしても壁になってしまう。
まあ…「VRChat」は会話しないと楽しめないというものでもないですから、気にしなくてもいいと思いますが。

寝るために「VRChat」に潜るという人もいるので(笑)どんな楽しみ方だって許容されるはず。

自分にとって居心地のいい場所を見つけるまでがチュートリアルで、見つけた先が本番と言えます。
用意されているワールドがとにかく多く、たどり着くまで結構な旅になりそうです。まさにネットは広大だわ…。


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壁に大きなラクガキをする、いわゆるグラフィティアート。昔からやってみたいと思ってたんですよね。
現実だと法律にジャマされてできないことが好き放題できて、通りすがりのプレイヤーがおもしろがってくれる。
ひょっとしたらここが長年探し求めていた場所かもしれない。そう思った瞬間でした。

「VRChat」でピースサインするのニガテなんですけど(笑)だんだんコツがつかめてきました。



押井版「攻殻機動隊」を見たときから、あのゴーグルにある小さな黒い穴が技術的にずっと疑問だったのですが
外界をトラッキングするためのセンサーと思えば納得できる気がします。Quest 2にもありますしね。
いま自分は「攻殻」の世界に肉薄してるんだなぁと思うと感慨深い。夢がひとつ叶ったような気持ちです。

Quest 2のスクリーンショットは自分の視点を中心にして正方形に切り取られるので、画角の意識が難しいです。
手で写真を撮るというより頭で撮る感じ。これも未知の体験としてなかなか楽しめています。

無線の解放感の代わりに、バッテリー残量に縛られてしまうことが目下最大の悩み。どうしたものか…。

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2020年10月14日 (水)

VR初心者視点の「Oculus Quest 2」レビュー

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今日まで誰にも言わずにいましたが、「Oculus Quest 2」こっそり予約してました。前置き終了!

このレビューにたどり着いた人の半分以上は、既にいろんなサイトでレビューを読まれているのではないかと。
で、おそらくみんな「開封動画とかもう見飽きたわ!」「俺が知りたいのはそういうことじゃないんだよ!」と
使用感などもうちょっと突っ込んだところを求めているのでは?と思ったんですね。
かく言う自分がそうだったので、自分が知りたかったところを自分の体験に基づいて書いてみました。

使い始めて24時間しか経ってない段階での掲載なので、気付いたことを今後追記していく予定です。
「ここが知りたい!」というポイントがあればコメント欄で教えてください。できる範囲で確認します。


バッテリーおよび充電関連

本体付属のUSBケーブルは充電するにはじゅうぶん。しかし1mという長さには早々に不満を覚えるはず。
PCとの接続やOculus Linkの利用を考えていないとしても、2m程度のものを別途用意したいところ。
それと付属のケーブルはtype-C(オス)-C(オス)なので、我が家のPCとの接続には使えませんでした…。

PCにtype-C入力がある人はさておき、通信用としてもう1本ケーブルがほしいですね。
Wi-Fi経由でのファイルのやりとりは現状Quest 2単体では不可能※なので、需要はかなり高め。
Anker製のケーブルをやたら薦める人がいますが、Ankerにこだわる必要はないと思います。

 ※アップデートで不可能ではなくなりましたが、手軽さで言えばいまだ有線が勝るのではないかと。


バッテリーの持続時間はほぼ公称値どおりで、満充電からぶっ通しで「VRChat」すると2時間程度。
バッテリー残量が15%と5%になったときの二度、それぞれ画面に警告が表示されます。
充電しながらの使用でもバッテリー残量は減る(検証済み)ので、バッテリー切れを目安に休憩がオススメ。

スリープ状態でアプリのダウンロードを継続するだけでも結構な早さでバッテリーを消耗してしまうようなので
長時間のダウンロードが予想されるときは充電器との接続を推奨。実際、途中で落ちたこともありました。


充電状況を示す本体LEDは充電が完了しても緑のまま消えず、ケーブルを抜くまでずっとついてます。
公式によると、充電完了後も充電しっぱなしだとバッテリーの寿命を縮めるそうです。
「スリープ状態で就寝中に充電」という使い方はよくないんだと思います。既に何度かやってますけど。
充電する際は電源を完全にオフにしてから、充電が完了したらすみやかに抜く。心掛けましょう。


両手に持つTouchコントローラーには慣れが必要で、まだスティックやボタンの位置さえ把握できてません。
付属の単三充電池乾電池は三菱製でしたが、開封時に既に液漏れしていたという報告も見ました。
個人的にはニッケル水素充電池の使用をオススメします。ちなみに自分は東芝のIMPULSEを使用中。

Touchコントローラーの電池はかなり持ちます。1週間毎日使っても10%減るかどうかという程度。
ホーム画面に表示される残量と「Firefox Reality」などで表示される残量には違いがあるみたいですね。
Quest 2購入から3週間後、「Firefox」での残量表示が赤くなったので初めて充電しました。


装着感

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ゴーグルを頭部に固定するためのベルトはQuest 2から布製になっています。
よく言えばコストダウンを図りつつ丈夫でしなやか、悪く言えば小学生の上履きみたいな質感です(笑)
形状の問題で装着後は髪がサマルトリアの王子みたいになってしまうので、以降の外出は厳しいかも…。

Quest 2の重量バランスはやはり正面寄りで、後頭部になにかしらのカウンターウェイトがほしいところ。
カウンターウェイトを載せないとホームポジション(焦点がぴったり合う角度)を維持できません。
また、本体重量を頬骨の2点で支える感じになるので頬が地味に痛くなってきます。
載せるものはべつにモバイルバッテリーである必要はなく、重さが2~300gあればなんでもOKでしょう。

いわゆるニンジャマスクをかぶれば滑り止めにもなるので、カウンターウェイトなしでもいけそう。


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こちらは手近なもので作ってみたカウンターウェイトの試作品。カードケースに海外の硬貨を詰めたもの。
こんなものでもあるのとないのとでは全然違います。数十分使い続けると実感できます。
ちなみにフタの切り欠き(画像左側)はベルトの幅に合わせたもの。これとボタンで横ズレを防いでます。

ベルトは薄いので、市販の大抵のヘッドホンと併用してもまず干渉しないと思います。
普段使ってるヘッドホンはそのまま使えました。耳をすっぽり覆うくらい大きな密閉型ヘッドホンでも大丈夫

マイクがついてるヘッドセットの場合、マイク入力は機能しないそうです。ボイチェンとかは厳しそう。


個人的に地味に気になっていたのがフェイスパッドと皮脂の問題で、専用のマスクが必要かと思ってたのですが
フェイスパッドの表面の加工のおかげで接触面が少なく、意外と大丈夫そうな感じがしてます。
また、フェイスパッドの設計が『鼻の高い人種』を想定しているせいか、鼻がまったく接触しないんですよね。
近くに置いてるスマホの画面を確認できるくらいの隙間があり、鼻の脂はつきようがありませんでした。

鼻に接触しないことでゴーグル内の明るさがどうなるか心配でしたが、塞いだときとほぼ変わりません。
顔汗をかきやすい人ならむしろ隙間を残したまま使用したほうが換気の意味でもよいかも?


初期設定

Quest 2の初期設定にはBluetooth接続可能なスマホが必須。Quest 2単独でできないのは謎です。
また、Oculusシリーズの専用アプリ「Oculus」が必要なので事前にスマホにインストールしておきましょう。

スマホアプリの起動時にFacebookアカウントを求められるので、新規に作るならこのタイミングがオススメ。
アカウントの作成と同時にOculusとの連携がおこなわれるのでBANはまずないと思われます。
(Quest 2発売当時にBAN報告が多かったのは、たまたまアメリカの大統領選と時期が重なったからだとか)

既にOculusアカウントを持っている場合はFacebookアカウントとの統合の確認があります。
たしか2年先まではOculusアカウントのままでも大丈夫だったはずですが、自分は即断即決で統合しました。

スマホアプリがQuest 2とのリンクを求めてきたら、必ず機種一覧から『Quest 2』を選択してください。
「Quest 2が一覧にないからとりあえず『Quest』を選んでおこう」ってのは絶対にやめましょう。
その次の画面で要求される5ケタの数字が『Quest』だと通らなくなってしまうので。


室内の範囲設定(ガーディアン)はスキップ可能でした。『静止モード』を選べば先へ進めます。
部屋が狭く、PCデスクの前から動けない!という人でも大丈夫。安心して買ってください!
イスに座った状態で使用する『静止モード』に必要なエリアは半径おおよそ80cmぐらいでしょうか。

ハンドトラッキングは座った状態だと反応が悪いみたいで、スムーズに操作できるとは言いがたいものでした。
でも驚異的な技術なので一度は体験しておくべきですよ。未来を体験できます。


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視界と酔い

レンズの間隔は一番広い「3」に設定しました。それでもなんとなくまだ狭い感じがしています。
人生初のVR体験の感想ですが…たとえるなら万華鏡を覗いているような、映像との距離感があるのが少々残念。

VR体験で驚いたのは、映像内の物理現象に現実の物理動作で干渉できるところ。
目の前に置いてある紙飛行機を拾って飛ばしたり、ブロックを積み上げたり、握手できたりするんです。
Touchコントローラーの中指ボタンで『握る』というアクションを制御しているのが本当に画期的でした。

極度のクルマ酔い体質の自分、VRでもやっぱり酔いました。移動がダメみたいです。
VR内で移動するのと同時に足踏みするとちょっとだけ改善されます(笑)座りっぱなしが一番酔いますね。
Quest 2を使い始めて4日目くらいでVRへの順応を感じ、1週間したらほとんど酔わなくなりました。
というより、酔いにくい歩き方になったのかも。ゲーム系のワールドではいまだに酔うこともあります。

周辺光量との差が目にダメージを与えるので、部屋をちょっとだけ暗めにして装着するのがオススメ。
ただし、完全に真っ暗だとQuest 2は動きません。完全消灯で寝ながらプレイは無理みたいです。
(赤外線カメラで周辺状況を検知しているので、専用のライトを用意すれば暗所でも動作するのだとか?)


ソフトウェア面

Quest 2にはファイルマネージャというものが存在せず、ファイルの手動操作はほぼ不可能。
たとえばスクリーンショットをTwitterに投稿したい場合、画像の選択画面が表示されなくて無理なんだとか。
Questの頃はあった「Oculus Gallery」というアプリは現在使えないみたいで、PCからWi-Fi経由で動画を
ストリーミング視聴するのも(デフォルトの状態では)できなくなってるみたいです。

 ※後々アップデートでファイルマネージャが追加されました。

「DeoVR」もしくは「Bigscreen Beta」があればメディアストリーミングで動画を見れそう。
「DeoVR」は必要最低限のプレイヤー。「Bigscreen」はリモートデスクトップ機能も備えるVRルームタイプ。
ちなみにQuest 2内のMovieフォルダに保存されてる動画は、ホーム画面にある「テレビ」でも視聴可能。

発売直後でストアが混雑しているのか、アプリのインストールに失敗することが結構多いです。
スリープからの自動電源オフでダウンロードが停止してしまう場合もあるみたいです。
長時間のダウンロードが予想されるときは自動電源オフの時間を最長に設定しておきましょう。


スクリーンショットや動画を気軽に撮れるのに、アップロード先は現状Facebookしかありません。
そのへんの鎖国っぷりがなんとも…Androidみたいに「OneDrive」とか使えたらいいのに。

ブラウザは「Firefox Reality」が優秀。アドオン「uBlock Origin」が使えるので広告多すぎサイトでも安心。
Quest 2はウェブサイト側からはモバイル機器として認識されるので、デスクトップ表示に切り替えましょう。
ウェブ上のファイルのダウンロードも可能で、保存先は「Firefox」のインストールフォルダ下のようです。

ブラウザからウェブ上のクラウドサービス(「OneDrive」など)にアクセスしてファイルのDLが可能。
回線速度に自信があれば、容量の大きな動画などもクラウド経由で落とせそう。うちは無理です。



どうして誰にも言わず買ったかというと、周囲に影響されてお祭りに参加する感じがイヤだった(笑)ってのと
Facebookの実名制を回避する方法がない場合、VR上では別人を装おうかと考えていたからです。
VRのプロフィールはFacebookとは別という話を知り、結局Oculus上のIDはいつもどおりのヤツにしてます。

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