組み上げたMini-ITXのさらなる難問に触れる前に前回のおさらいとして、かかった金額を振り返っておきます。
| マザーボード: | Jginyue B350i-PLUS ARGB v3.0 | -6,734円 |
| CPU: | AMD Ryzen 5 3600(中古のようにも見えるバルク品) | -6,680円 |
| メモリ: | Crucial DDR4-2400 8GB(中古) | -1,500円 |
| CPUクーラー: | Ocypus Gamma A40 | -2,467円 |
| 電源: | 玄人志向 KRPW-BK450W/85+ SilverStone SST-ST45SF-G(中古) | -5,633円 -6,889円 |
| グラフィックボード: | MSI GeForce GTX 1060 AERO ITX 6G OC(中古) | -7,700円 |
| ケース: | SilverStone LD03B(未使用の中古) | -4,400円 |
| 前PCの売却金額 | +27,000円 |
| 収支合計 | -9,370円 |
性能的には10年前の水準ではありますが、1万円で組めたならまあ納得というか、安いもんですよね?
なんか微妙に増えてるように見えるのは気のせいだと思います。買い物したのに増えるわけないじゃないですか。
「Kernel-Power 41」の発症
さて…自作PC界隈でよく話題になる(らしい)、KP41病こと「Kernel-Power 41」に見舞われました。
特に高い負荷をかけているわけでもなく、文章を打ったり席を離れているあいだに勝手に再起動するようになり
BIOSの設定が悪いのか、はたまた電源ユニットの初期不良か、さまざまな部分を疑い始めました。
似たような症状に悩まされている声は検索すれば山ほど見つかるので、ひとつひとつ確認してみることに。
イベントビューアーで再起動発生時のログを確認
何が起きたかを確認する。これがまず基本となります。
タスクバーのWindowsアイコンを右クリックして「イベントビューアー」を選択します。
ログの読み込みに少々時間がかかるので少し待ってから、[Windows ログ]の[システム]を選択。

ここに「Kernel-Power 41」という赤い『重大』レベルのログが残っているなら、それがKP41の証です。
「Kernel-Power 41」のあとに「WHEA-Logger 1」というログも残されているかもしれません。
RawData(2千ケタ近い長大なログ)のなかに、どこから通知されたエラーなのかが記録されています。
Copilotに解析を依頼したところ、CPUから通知されたエラーであることが判明しました。
自分の場合、ほかに「SVMが存在しないか、BIOSで有効になっていません」というログも発見できました。
Windows 11をインストールする際、ブラックスクリーンを回避するためBIOSの「SVM Mode」を変更したのが
エラーの原因で、のちにKP41とはまったく関係ないことが判明したのでDisabledのままにしてます。
| Advanced → CPU Configuration → SVM Mode → Disabled |
さて、ここからはCopilotと相談しつつKP41に効果がありそうな対策案をひとつひとつ探っていきます。
1. BIOSの「Precision Boost Overdrive」をDisableに変更(効果なし)
| OC → AMD Overclocking → Accept → Precision Boost Overdrive → Disable |
Copilotから提案された対策案のひとつ。CPUから通知されたエラーならCPUの電力管理を見直そうという話に。
PBOとは自動的にオーバークロックするような機能で、Disableにすると省電力化につながるとか。
待機中の消費電力をできるだけ下げたいと思っていたので、本件とは無関係でしたがDisableのままにしてます。
余談ですが、PBOをEnableにすると『PPT Limit』が1000 Wとかいう通常ありえない値になるようです。
2. AMDの最新のチップセットドライバーをインストール(事態が悪化)
デバイスマネージャーの「AMD GPIO Controller」にエラーのマークがついていることに気付いたのが発端。
最新のチップセットドライバーをインストールしたところ、再起動から復帰できずに自動修復が発生してしまい
結果としてWindows 11をインストールした直後まで状態を戻されてしまいました…。
のちにチップセットドライバーの更新をおこなった際、ふたたび再起動に失敗。
そこでふと「SVM Mode」が関係しているのでは?と思い、一度はEnabledに戻したのをふたたびDisabledに。
すると再起動に成功。やはり「SVM Mode」は特に必要がない限りDisabledで固定したほうがよさそうです。
3. BIOSをアップデート(効果なし)
Jginyueの公式サイトで公開されていた当時最新のBIOS(2024-11-23のほう)に更新。
バージョン表記はAM4N36 0.03となっていて、これは現在最新のBIOS(2025-11-27)と同じかもしれません。
セキュアブートの有効化(KP41対策とは関係ない作業)
BIOSの各設定項目をよくよく確認していたところ、セキュアブートが無効になっていることに気付きました。
セキュアブートはWindows 11の必須要件なはずなのに、どうしてデフォルトで無効になっているのか…。
セキュアブートを有効にするにはまず、「Compatibility Support Module」を無効化しなければなりません。
CSMを無効化するには先に各デバイスをUEFIモードに変更する必要があります。
| Advanced → CSM Configuration → CSM Auto Switch以下 |
環境によって差はあると思いますが、自分の環境ではVideoだけがUEFIモードになっていませんでした。
UEFIに変更して保存後、CSMをDisabledに変更したのち、セキュアブートをEnabledに。
(双方は排他的な関係にあり、どちらかを有効化するにはもう一方を無効化する必要がある)
| Advanced → CSM Configuration → CSM Auto Switch → Disabled |
| Security → Secure Boot → Secure Boot → Enabled |
念のため、あらためてWindows 11をクリーンインストールしました。これは単に気持ちの問題です。
4. 配線の見直し(効果なし)
トラブルシューティングの基本中の基本というか、ある種の儀式みたいなものです。
挿し忘れの確認ができるというのもありますが、つなぎ直すだけで不思議とうまくいくこともあります。
5. セーフモードで起動(効果なし)
セーフモード中でも再起動が発生したため、次の対策案へとすぐに移りました。
6. 高速スタートアップの無効化(効果あり?)
KP41の対策としてよく言われる高速スタートアップの無効化をためしてみたところ、再起動の頻度が激減。
変更後まったく危なげなく動いていたのですが、8時間後に再起動が発生。ぬか喜びでした。
しかしこのことから、電源ユニットの初期不良やケーブルの傷みの疑いは排除できたと判断。
(ハードウェア的な原因であれば、設定変更で再起動の頻度が変動したりはしないはず)
7. BIOSの「Global C-state Control」をDisabledに変更(効果あり?)
| OC → AMD CBS → CPU Common Options → Global C-state Control → Disabled |
これもKP41の対策としてよく言われるもので、この変更で解決したという報告をよく見かけます。
C-stateとはCPU全体の消費電力を制御する機能のひとつで、省電力化したいならEnabledが推奨されます。
しかしこれも、しばらくすると離席時に再起動が発生。次なる策を考えることに。
8. BIOSの「Power Supply Idle Control」をTypicalに変更(効果あり)
| OC → AMD CBS → CPU Common Options → Power Supply Idle Control → Typical Current Idle |
アイドル時に電源ユニットの出力を自動で切り替えるかどうか、設定するための項目です。
デフォルトはAutoでTypicalが標準値。Lowのほうが消費電力は下がりそうに思えますが、ほぼ変わらず。
Typicalに固定してから再起動が激減。KP41抑止の有効打となりました。
Lowでもたぶん大丈夫だと思います。ようするにAuto設定で自動で切り替わるのが原因だったのでしょう。
それなら「Global C-state Control」は無関係かも?と思い、Enabledに戻したところふたたび再起動が発生。
なので「C-state」と「Power Supply Idle Control」の両方で抑え込めていると仮定しました。
高速スタートアップのほうはおそらく無関係と思われます。
高速スタートアップを元に戻して(有効化)確認していたところ、ゲーム中に再起動が発生しました。
それもこれまでとは異なり、処理が重そうな場面で二度、再現性がある感じの再起動だったんですね。
高速スタートアップを無効に戻すと、再起動を挟んでいないのに再起動が起きなくなりました。
(わかりにくい言い方ですが「設定変更後、手動で再起動してないのに改善された」ということ)
電源ユニットの交換(玄人志向 → SilverStone)
電源ユニットの初期不良の可能性を考慮し、メーカーのサポートと相談したうえで返品という扱いに。
いい機会だったのでATX電源からケースに合うSFX電源に変更。しかしKP41は発生し続ける…。
もうひとつ特記しておくべき事項として「セキュア ブート許可署名データベース(DB)の更新」がありました。
これにより、イベントビューアーに定期的に記録されていた「TPM-WMI」に関するエラーが消失。
以前よりもシステムが安定方向に向かっていると考えられます。
9. BIOSの「PSS Support」をDisabledに変更(効果あり)
| Advanced → CPU Configuration → PSS Support → Disabled |
PSSはPerformance Support Stateの略だそうで、CPUに関する動作の要求をOSから受け取るかの設定。
Enabledにすると、待機中のCPUの消費電力が平均10Wぐらい下がることがわかっていました。
つまりDisabledにすると消費電力は上がるものの、低下による不安定さはなくなるということ。
実際Disabledにしてから1週間、再起動はまったく起きませんでした。
電源ユニットの交換は意味がなかったと思っていましたが、実際はそうではないのかもしれません。
じつは交換前にもこの設定をためしていて、同じ設定でも再起動の頻度に変化が出ているわけで。
初期不良ではなく、アイドル時の安定性がそもそも高くない電源だった可能性があります。
それが安いマザーボードとの組み合わせでKP41を招いた、というのがCopilotの推測。
あとで気付いたのですが、電源を交換してからベンチマーク中のコイル鳴きが聞こえなくなりました。
てっきりグラフィックボードから聞こえているのだと思っていましたが、電源が発生源だったんですね。
設定まとめ(2026年1月8日時点)
・高速スタートアップの無効化(電源プランを「AMD Ryzen High Performance」に)
・BIOSの「SVM Mode」をDisabledに(マザーボード固有の問題への対処)
・BIOSの「Global C-state Control」をDisabledに
・BIOSの「Power Supply Idle Control」をTypical Current Idleに(Lowでもたぶん大丈夫)
・BIOSの「PSS Support」をDisabledに
経過観察(1月8日~)
・「Global C-state Control」をEnabledに戻すテスト(1月13日~)→ 10日後に再起動発生(23日)
・「Global C-state Control」をDisabledに(23日)
・Windows Update(KB5078127)適用後、24時間で3回の再起動発生、アップデート差し戻し
・CopilotにfTPMの影響を指摘され、fTPMを一時的に無効化するテストを実施(28日~29日)
(内容的には「Security Device Support」をDisabledに変更、起動時にPINの再設定が必要)
・2時間で10回以上という異常な頻度のKP41に見舞われ、BIOSの設定を再度見直す(29日)
・CPUの電圧低下が引き金になっていると仮定し、「Precision Boost Overdrive」をEnableに(29日)
・それでも再起動が1日1~2回起こり続けたため、「SoC Voltage」で電圧の微調整を開始
10. BIOSの「SoC Voltage」で電圧を手動設定(効果あり?)
| OC → AMD Overclocking → Accept → SoC/Uncore OC Mode → Enabled |
| OC → AMD Overclocking → Accept → SoC Voltage |
先に「SoC/Uncore OC Mode」をEnabledにしてから「SoC Voltage」に小数点なしの4ケタの数値を入力。
0(標準値)→ 1.006 V
1010 → 0.994 V
1050 → 1.031 V
1060 → 1.044 V
1070 → 1.050~1.056 V
1.056 Vで安定したように見えていたのですが、Windows Update(KB5077181)適用後また不安定に。
その後も10刻みで電圧を増やし続けてみたものの、再起動がなくなることはありませんでした。
ちなみに経過観察中に調べてわかったことですが、標準の1.006 Vはかなり低めの値だったようです。
11. 仮想メモリの割り当てを増やす(効果なし)
KP41の対策法について検索していたところ、「ページングファイルなし」で解決したという話を見つけまして
ためしに設定してみたのですが、動作があまりにも不安定で常用できないほどになってしまいまして。
(具体的に言うと、先述の「設定」ウインドウを開いただけでフリーズするくらいでした)
あらためて仮想メモリについて調べてみると、物理メモリの1.5倍から2倍くらいが推奨値と判明。
これまでは物理メモリ8GBに対して自動で8GB程度の数値が割り当てられていました。
推奨値に満たない、ヘタするとすぐにあふれてしまうほどの控えめな設定だったと言えます。
推奨どおりにまずは1.5倍の12GB(12288MB)に変更。
スタートメニューの「設定」から、[システム]→[バージョン情報]内中段の[システムの詳細設定]
「システムのプロパティ」が開くので、[詳細設定]タブ内の[パフォーマンス]の[設定]をクリック
「パフォーマンスオプション」の[詳細設定]タブ内、[仮想メモリ]の[変更]をクリック
[すべてのドライブのページングファイルのサイズを自動的に管理する]のチェックをはずして
[カスタムサイズ]にチェックを入れ、初期サイズと最大サイズに同じ値を入力する
右下の[設定]をクリックしたあと、下の[OK]をクリックで完了、そのあと再起動をおこなう
12. BIOSの「ACPI Auto Configuration」をEnabledに変更(効果なし)
| Advanced → ACPI Settings → Enable ACPI Auto Configuration → Enabled |
いつものようにCopilotに相談していて、氏の発言に出てきて初めて着目した項目です。
「以前ACPI Auto ConfigurationをEnabledにして安定してましたよね」と言われ、心当たりがまったくなく…。
BIOSの状態を確認してみると、「ACPI Auto Configuration」はDisabledになっていました。
(Copilotがわりとテキトーなこと言うのは以前から把握していました)
以前「Enable Hibernation」の設定を一時的に変更したことがありました。
この「Enable Hibernation」、「ACPI Auto Configuration」をDisabledにしないと表示されない項目なのです。
BIOSを眺めていて自然に見つけた覚えがあるので、標準設定がDisabledだったのではないかと。
今回おそらく初めて「Enable ACPI Auto Configuration」をEnabledに変更。この設定は維持する予定。
13. 電源オプションの隠し項目「プロセッサアイドル無効」
隠し項目「プロセッサアイドル無効」を表示するための手順は以下のとおり。
・レジストリエディタを管理者として実行後、以下のアドレスに移動
\HKEY_LOCAL_MACHINE
\SYSTEM
\CurrentControlSet
\Control
\Power
\PowerSettings
\54533251-82be-4824-96c1-47b60b740d00
\5d76a2ca-e8c0-402f-a133-2158492d58ad
・『Attributes』をダブルクリックして、値を「1」から「0」に変更
0x00000000(1)→ 0x00000000(0)
・コントロールパネルの[電源オプション]内、[プラン設定の変更]をクリック
・[詳細な電源設定の変更]をクリック
・[プロセッサの電源管理]に「プロセッサアイドル無効」が追加されているか確認
・設定を[アイドルを無効にする]に変更
ようするにCPUのコアをアイドル状態にしないよう制限をかけるわけです。
OCCTやHWMonitor上ではCPU使用率が100%固定、あるいは100%を超えた数値が表示されます。
(BIOSの「Core Performance Boost」がEnabledになっていると115%表記になる)
タスクマネージャー上では3%程度と表示され、自分の環境ではCPU温度は50℃前後で動作します。
この設定にたどり着いた理由は、OBS(動画配信用アプリ)を起動しているあいだはKP41が発生しないという
事実に気付いたからで、おそらくほかにもっと安全な方法があるのではないかと。
問題はこの設定だとCPUの消費電力が常時48Wくらいになってしまうこと。およそ省電力ではありません。
「プロセッサアイドル無効」のままBIOSの設定をいろいろ確認して省電力を探るのはありかもしれません。
ただ、「Core Performance Boost」をDisabledにすると「プロセッサアイドル無効」であっても再起動が発生。
原因に近付いているようでやはりズレている。そんな印象を受ける結果となりました。
CPUを眠らせない方法としては本来「C-state」や「ACPI」がふさわしいのではないかと思います。
しかし表記どおりに眠らない設定にしてもKP41は発生してしまって、ホントにお手上げ状態なんですよね。
だいぶ記事が長くなってしまったので、この続きは新たな記事に掲載したいと思います…(つづく)
余談。ケースに付属していた同SilverStone製のケースファンはうるさ過ぎて使いものになりませんでした。
なので四半世紀前に自作した際に購入した、Scytheのファンコントローラー付きファンをとりあえず設置。
回転数を最低まで下げれば静かですが、さすがに年季がはいっているので軸の異音までは避けられず。
排気用のケースファンはいずれ新しいものを買い足すつもりでいます。

右上の青く光っているのがScythe製のファンですね。
今回購入したグラフィックボードには発光する機能がなく、なんとかしてライトアップしたいと思っていまして
LEDの配置をいろいろためしているところです。ケース背面のGPU用の通気口から光が抜けちゃうのが難題。
ほか、BIOS設定で気になったところを備忘録がてら書き記しておきます。
| OC → AMD Overclocking → Accept → Precision Boost Overdrive → Advanced |
PBOをAdvancedに変更すると項目が追加され、PPTやTDC、EDCを任意の数値に設定できるようになります。
とりあえずDisableにしておいても省電力にはなるのですが、PPTはデフォルトの88Wのままになるようです。
| OC → AMD CBS → CPU Common Options → Core performance Boost → Disabled |
こちらもPBO同様、消費電力に関わる項目なのだとか。具体的にどれくらい下がるかはわかっていません。
一日中PCをつけっぱなしにしているような人は少しでも下げたいでしょうし、確認してみてもいいのでは。